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2-12 お荷物課

とりあえず立て込んでいた仕事はひと段落し、 通称お荷物課の面々はそれぞれ疲労に打ち拉がれながらも 達成の喜びを味わっていた。 「はぁ…マジできつかったっすね…」 ミナミは椅子に埋もれるようにだらしなく座り、ぼけーっと天井を仰いでいる。 「あぁ、みんなお疲れさま」 「よくやったよ俺たち」 裾川はにこにこしていて、喫煙所で彼が言っていた事はお世辞ではなく いくらか本当の事らしいと思うヨコであった。 「……。」 ラーメン食いたい!、おっ元気だねえ、と斜め向かい同士で会話し始める二人の間で 雨咲は一人押し黙っていて、いつも彼女はそんな風に静かではあるのだが なんだかいつも以上に暗いオーラを纏っている気がして 流石の彼女も今回の激務で相当疲れているのかもしれない。 「大丈夫か、雨咲」 「え、ああ…はい」 雨咲はこちらに気付くと、珍しく歯切れの悪い返事をした。 ただでさえ会社の女子社員達から浮いていて、 こんな男世帯な場所に追いやられている彼女は少し気の毒な気がしたが 男だからとか女だからと区別するのも失礼な気がして 一応平等には扱っているつもりではある。 とはいえ上司として部下の様子も伺っておくのも仕事の内、 セクハラにならない程度には気遣ってはやる所存だった。

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