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2-19 社畜のご帰還

「ねえ…ヨコさん…の、全部…俺にください…?」 彼の顔を両手で包んで額をくっつけるようにしながら 腰を揺らして、彼の中心に擦り付けるように身体を触れさせる。 「…全くお前には勝てねえな」 はぁ、とため息を零しヨコはナナメの中から指を抜いた。 ナナメは再び膝立ちの状態になる。 するすると滑るようにヨコの身体を撫で、熱り立つ彼の雄に触れた。 ナナメは自らの中へと彼を誘った。 肉を割り入るように差し込まれる感触にびくびくと震えながら天井を仰いだ。 「…っ、あ…」 快楽に腰が砕けそうになり、ナナメはこてんと頭をヨコの肩に預けた。 久々故か、ずっと欲しかった感触に既に昇り詰めてしまいそうだ。 「…イっちゃいそ…」 掠れた声を出すとヨコに頭を撫でられる。 「イけば?」 「また意地悪言って…」 「悪いが俺は限界」 そう呟かれるや否や、急に内部を擦りあげられナナメは悲鳴にも似た声にならない声を上げた。 水面が歪み、ばしゃりと水が弾ける。 「…っあ、ヨコさ…っ、ん」 じわじわと涙で視界が滲むのを見つめながら、自分も腰を揺らした。 弾けてしまいそうなのに、奥へと欲望がぶつかる度にもっととせがむように内壁が彼に絡みつく。 「ん、…ッはぁ…、あ…、あ」 意味を成さない声は、身体を熱くさせる麻薬のように風呂場に響いていく。 ナナメはヨコの上半身に足を巻き付け、両腕も彼の体に回した。 「…っは、…ぁ、あ…ッ」 粘膜を擦られ快感が身体を駆け巡る。 余計なことはなにも考えられなくて、彼の眼を見つめると、自分の内部が彼を締め付けていくのが分かった。 「ナナメ…好きだ」 髪を撫で上げられながら掠れた声で呟かれ、ぞくんと背中が反る。 片足を抱え挙げられ、身体が後ろに倒れそうになる。 反対側の浴槽の縁に背中が当たり、壁にゴンと頭がぶつかった。 そのまま激しく奥を突き上げられ、滾った塊を吐き出しそうに熱が中心に集まっていく。 「あ、ぁ…ッ、ァ…、あ…!ッ〜…!」 壁に押し上げられるような形になり、視界がチカチカと無数の光が光っているように見えた。 その瞬間、身体の中に熱い液体が注がれ、びくりと身体が跳ねナナメも達した。 「…は…っ…ーっ…」 2人はずるずると水の中に戻り、やがてキスを交わした。 幸せだなぁと噛みしめるように彼の唇を食むけど、 なんだかいつまでも頭がくらくらして呼吸が落ち着かなかった。 「…あれ…?なんか…」 「…ナナメ?」 ぽつりと呟くと世界が回るような感覚になる。 視界がぐるぐると揺れて身体から力が抜け、水に沈みそうになるが ヨコの身体に支えられ助け起こされた。 「おい、ナナメ!?」 完全に逆上せてしまったようだ。 ナナメは回る視界にテンションが変な方向へ登っていきけらけらと笑った。 「きゃーヨコさんがいっぱい見えるう」 「うわ…すまん」 ヨコはため息を零しながらナナメを抱え上げ、 2人は風呂から脱出するのであった。

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