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2-28 レッツゴー眠らない街

赤いお屋根のお家は今日も、お前の来るべきところではない、というようにこちらを睨んでいて 雨咲は電柱の柱でその家を睨みつけていた。 ここへ来るのは何度目だろう。 自分でも異常なことはわかっているのだが、 ついつい真壁の後をつけてしまったりして 最早彼についていかなくてもこの場所に来れるようになってしまった。 「…確かに…こんな大きな家に1人なわけないよね…」 雨咲は今まで考えないようにしていたことを呟き、自分で落ち込んでしまった。 今までこの家から彼以外の人間が出てくるところは見たことが無かったために 少ない可能性に希望を抱いていたし、今もまだ少なからずそうであった。 段々と辺りは暗くなってきていて、今日は真壁は会議であることは確認済みだ。 カーテンの締め切られた家は人の気配はまるでないが、 もしかしたらその彼女とやらが帰ってくるかもしれない。 雨咲は息を殺してその場でじっとしながらも、 あの家で彼はどんな暮らしをしているのだろうと想像する。 部屋着はどんなかな、ベッドはどんなかな、お風呂はどんなかなぁ。 色々と妄想して、思わず涎が出そうになったりした。 暫く待っていると、玄関のドアが静かに開き誰かが出てきた。 雨咲は思わず自分の口元を抑え、その姿を凝視した。 ブラウンの薄手のロングコートを羽織り、 黒いパンツにショートブーツというスタイル。 色素の薄い茶色っぽい髪は緩くウェーブがかっていてその隙間から白い肌が覗いていた。 その人物は戸締りをしたあとポケットに手を突っ込んで颯爽と歩いて行く。 「あの人が彼女…?」 本当に居たらしい。 雨咲は思わず泣きそうになったが、 さっさと歩いていく後ろ姿を見失わぬよう慌てて追いかける。

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