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2-32 レッツゴー眠らない街

暫く2人で歩き、街の入り口まで戻ってくると 彼女はようやくこちらを見下ろしてくる。 「全く、中学生がこんなところに来てはいけません」 彼女は腰に手を当てながらそう言い出し、 雨咲は思わず頬がカッとなってしまった。 「ちゅ、中学生じゃありません…!」 「そうですか。まあいずれにせよ あなたのような子が一人で来るところではないと身に染みたでしょう」 彼女の言葉に差を見せつけられている気がして、雨咲は両手を握り締める。 「次は助けませんからね。 これに懲りたら2度と人を尾けたりしないように」 彼女の言葉に雨咲は思わずその顔を凝視してしまう。 どうやら気付かれていたらしい。 なんだかますます恥ずかしくなって何も言えなくなっていると、 それじゃ、と去っていかれそうになり 雨咲は慌ててその腕を掴んだ。 「ま。待ってください!」 「まだなにか?」 「ど、どこに行くんですか…?」 ここまで来てこんな嫌な目にあってのこのこと帰るわけにはいかない。 せめて彼女の目的を知らなければ、とその顔を睨んだ。 「それで尾けてきたんですか? 俺が行くところを知ってどうするんです」 不審だと思われているのは百も承知だったが、雨咲はめげるわけにはいかなかった。 「…答えられないような所に行くんですか?」 真壁という素晴らしすぎる恋人がいるのに? 雨咲はこのなんでも持っているような人間に狂いそうなほど嫉妬を覚えた。 綺麗で、モテて、こんな所を1人で歩けるほど肝も据わっていて 真壁という素晴らしい恋人まで持っていて。 自分には無いものをたくさん持っているくせに もしも不義理を働いていたとしたら、自分の正義感が黙ってはいないだろう。 「……あなたがどこのどなたか存じないので答えられませんね」 真っ当なことを言われ雨咲は憤慨しながらも色々と考えた。 ここで逃してしまったら真相は一生闇の中だ。 課長のためにも自分が暴かねばならない。 しかし上手い言い訳も思いつかずその腕を掴み続けていると、やがて彼女はため息を零した。 「はぁ…仕方ないですねえ… じゃああなたとしか行けない所に行きましょうか?」 「え…?」 「俺の行くところが気になるんでしょう? こそこそついて来られても困るので、いっそ一緒に行きましょう」 どんな恐ろしい所に連れて行かれるかわからなかったが、雨咲はもう後には引けず頷いた。

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