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2-46 お説教ですね。
「腕…解いて…ナナメ…」
「ダメ、です…、っ、ん…お仕置き、ですから」
ナナメの言葉に
無理矢理その唇を奪おうと思ったがすぐに逃げられてしまった。
「…は、…っ、ん、ん…」
髪を耳にかけながら、仰反るように律動を早めていく彼の姿に
限界が近付いて来るのだが、
丁度腹筋の辺りに彼の手が体重をかけて来てうまく動かせなくなる。
「ほら、勝手に動かない…」
そんな風に言われても身体は勝手に動きたそうに震えていて、
理性と心と身体がバラバラになっているような感覚だった。
とはいえ彼が激しく動くと昇り詰めてしまいそうで、浅い呼吸を繰り返しながら彼を見上げる。
「ん、ヨコさん…俺が、良いって言うまで、我慢してください…」
「は…?」
ナナメは恐ろしいことを呟きながら小さく微笑んでくる。
その天使のような表情にはきゅんと来てしまうのだが、
律動を早められ、昇り詰めそうな寸前で動きをセーブされたりして焦らされ始め
段々と居た堪れなくなってしまう。
動きたくても身体を自由に動かせなくて。
「…ななめ、も、許…っ」
「だ、ぁ、め……、ん、反省、しなさい…っ」
一体何を反省すれば良いのかわからなかったが、
焦らされ続けて、敏感になっているのに未だ達することが出来ない身体を持て余して
ヨコは必死に身を捩った。
「まじで、無理だっ…て…」
「…しょうがないですねえ…」
ナナメはヨコの手を引っ張って身体を起こし、腕の間を潜って胸の中に収まってきた。
やっと彼を抱き締められるような形になったものの
両手は拘束されたままで未だに自由とは言い難かった。
「どうしたいんですか?」
ナナメはゆるく腰を揺らしながら、甘えるように顔を近付ける。
キスをしたいのにガッチリと頭を掴まれていてそれも叶わないし
どうしようもなくて、ヨコは彼に懇願するように目を細めた。
「抱きしめたい…」
「抱きしめてるでしょ」
「キス、したい」
ナナメはヨコの頭を引き寄せると、ちゅ、と唇をくっつけて来てはすぐ離した。
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