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2-48 お説教ですね。

「やってくれたなお前」 翌朝、洗面台で顔を洗っているとヨコがやって来て 顔を真っ赤にしながら頬を掴んで来た。 「いひゃいれふ」 ナナメは頬を千切られそうになりながらも 口を尖らせて彼を見上げる。 「ヨコさんが可愛いから悪いのですよーだ」 不満を言うとヨコは恐ろしい形相で睨んでくる。 「バカ!何が可愛いだ! よくもあんな恥ずかしいことを…だなぁ!」 「恥じらうヨコさんも可愛い」 ナナメが全肯定するとヨコは顔を赤くしすぎて やがて泣き出しそうにしおしおとなって力無くナナメを抱きしめてくる。 「ヨコさん…?」 「もう、なんか、よくわからんくなってきた……」 抱きしめられるというか体重をかけられているような状態だったが ナナメは苦笑しながら彼の頭を撫でてやった。 「…ごめんなさいヨコさん。 俺嫉妬してあんな風に独占しようとしてバカみたいですよね…」 彼が大好きなのに、誰にも取られたくないのに 追い詰めるようなやり方しかできない自分は本当に最低の大人だと思う。 「……よくわからんがなんか…ちょっと…いつもと違うナナメ…」 「え?なんですか?」 「……なんでもない…」 やがてヨコはナナメの身体を、ぎゅう、と強く抱きしめてくる。 あまりの力に肋骨がへし折られそうになりながらも こんな風に受け止めてくれてヨコさんはやっぱりすごい人だなぁ、などと思うのであった。

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