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3-19 レッツゴー乙女チック!

「いい人って誰ですか…?勝手なこと言わないでください… 最初から綺麗でなんでも持っているような人には、 分かんないでしょうね…私みたいなブスの気持ちなんて…」 卑屈なことをついつい言ってしまいながらも、 警察に突き出しても良いぐらいの異常な自分を励ましてくれる彼女にますますコンプレックスを感じて その手を振り払った。 「はぁ…あのねえ、こんなこと言いたくないですけど あなたがちょっと自分に気を遣ってごらんなさい。 俺はいつだって危ういんですからね…?」 「は?」 「あなたみたいな若くて可愛らしくて素直で胸も大きくて? そんな人間が山ほどヨコさんのことをめちゃくちゃ狙ってて… こんな、俺がどんっだけ…」 ナナメは身体を震わせながら俯き、やがてにこにこ微笑んで雨咲の腕を掴んだ。 「もういいです。俺は怒りました」 「…へ?」 「ちょうどいいや、来なさい。分からせてやりますよ」 「え?え?ちょ、どこに連れていく気ですか…!?」 逆らえないオーラを放ち始めるナナメに引き摺られ 雨咲は無理矢理連れていかれるのであった。

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