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4-4 BLACK&GIRL
「…ええっと、この家ですか?」
「…え?」
「この家にご用事?」
女性はパタパタとフリルのついた長い袖で片手を振り、ドアを指す。
「住民ですけど…」
「え!?あれ?そうなんですか!?」
ヨコがそう答えると女性は驚いたように目を丸くした。
「ありり?えーっとちょっと待ってよ……
まさか……いやいや……ええっと…」
女性は何か焦って考えるように腕をバタバタさせたりしている。
ヨコは呆然となりながらも少し思考した。
「もしかして、ナナメに?」
「え!あ、そう!ナナメちゃん!知ってる!?」
女性はぱっと笑顔を浮かべて頷いた。
相変わらず妙な知り合いが多いらしいと感心すらしてしまう。
「今いないみたいでぇ」
「そうなんですか?出かけてるのか…?」
ヨコはドアに近付いて鍵を開けた。
確かに家の中はシーンとしていて人の気配はないようだった。
仕方なく彼女を玄関に入れてやり、明かりを付ける。
明るいところでみると、彼女の存在感がより際立って見えた。
「ねえねえ、イケメンさんはナナメちゃんとどういう関係?住民ってマ?」
ヨコはこの謎の女を勝手に家にあげていいものかと考えてしまう。
「同居人みたいな…?俺が住まわせてもらっているというか…」
「ほほう?」
彼女は目を細めて何かを疑うようにヨコを見上げてくる。
高いヒールを履いているし服のボリュームもすごいので
小柄なのに圧を感じてしまう。
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