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4-5 BLACK&GIRL
「…あなたは?」
ヨコが聞くと女性はニタッと笑って両手を腰に当てる。
「ぼく?ぼくはねえ…泣く子も黙る四鹿家の次女!」
彼女はそう言いながらヒーローのような謎のポーズをとった。
「四鹿ナナミちゃんだぁ〜!」
意味がわかるところが一個もなく、ヨコは追い出そうかなと思い始める。
「ちゅーのは冗談で、ナナメちゃんのガチ妹だよぉ」
「いもうと…」
「そ!同居人の妹がこんなに可愛いわけない!ってやつだぁ」
ナナミと名乗った少女は訳のわからないことを言いながら頬に両人差し指を当てている。
「……妹!?!?」
ヨコはようやくその言葉が脳に浸透してきて思わず飛び上がりそうになってしまった。
確かによくみると顔の雰囲気が似ている気がする。
「はい!正真正銘!」
彼女はそんなことを言いながら片手を上げてくる。
彼に姉妹がいるらしいことはなんとなく聞いていたが、まさかこんな感じとは。
ナナメの家族とあっては蔑ろにするわけにはいかず、ヨコは彼女を家にあげることにした。
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