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4-7 BLACK&GIRL

「ナナミ…さんは…」 「ナナミちゃんね」 「……学生さん…?」 ナナメもそうだが年齢不詳すぎて聞いてしまうと、ナナミは両手で頬に触れくねくねし始める。 「えーやだやだぁ〜お世辞がお上手なんだからもぉ こう見えて25ちゃいだよぉ」 「…ほ…本当に?」 「おうよ!マイナンバーカード見る??」 見た目もそうだがテンション感も精々20歳かそこらだと思ったがあまり年齢が変わらず驚いてしまう。 「真壁サンはおいくつー?」 「26…です」 「マジンガー!?ほぼタメやん!」 ナナミは嬉しそうにぴこぴこ跳んでいる。 「ちゅーことはナナメちゃんは年下イケメン男子と住んでるん? やば!羨ま!」 茶を淹れてやるとナナミは静々と上品にお茶を飲んでいて 恐ろしく湯呑みがミスマッチだったが、その所作にやっぱりどこかナナメに通じるところを感じてしまう。 彼女も都内に住んでいて、普段は服屋の店員をしているらしい。 一瞬ナナメと住んでいたこともあったがすぐに喧嘩をして同居解消をした、とも話してくれた。 「…ふむ。それにしても全然戻って来ませんなぁ」 しばらく彼女と話していたが一向にナナメは帰ってこないし、一応連絡しておいたが返事もない。 「……俺、飯の準備しててもいいですかね…? 全然居てもらっていいので」 いい加減夕食を作り始めねばならない時間でヨコは席を立った。 「あ、うん。どーぞどーぞお構いなく ……え?てか真壁サンが作ってるの?」 「まぁ、はい」 「やばばば」 ナナミはまた変な言葉を使いながらも驚いている様子だった。 「みゃーん!いいなぁーナナメちゃん! ぼくなんか人の手料理なんて長らく食べてないよぉー」 「……よかったら食べて行きます?」 「え!いいの!?」 「口に合うかわかりませんけど…」 今日はガッツリと和食を作るつもりだったが果たして彼女はそんなものお気に召すのだろうか…。 ナナミは目をキラキラさせて、やたー!と言っていて そういう仕草もどこかナナメを彷彿とさせてしまう。 本当に兄妹なんだな、と妙な所で感じてしまいながらもヨコは急遽3人分用意する所存だった。

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