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4-8 空っぽ
「えー!しゅご!神すぎる!」
食事が出来上がるとナナミは何故か携帯端末で写真を撮り始める。
鶏の照り焼きに煮物に味噌汁に漬物に…というThe和な食事だったが
彼女は目をキラキラとさせていたのでひとまずホッとする。
「こんなもので…すみません…」
「いやいや充分すぎるよぉ!ナナミちゃん和食好きだよ!やよい軒とかよく行くもん」
彼女がその格好でやよい軒にいる姿は想像ができなかったが
ナナミは、いただきますー、と両手を合わせて食し始める。
未だにナナメは戻ってこないので、先に食べていることにした2人だった。
「むむむ!うますぎるんだが!?」
「恐れ入ります」
「なんじゃこりゃ!最高やんけ!嫁にしたい!」
ナナメもいつもグルメリポーターのように褒めてくれるが、彼女はお笑い芸人のように褒めていて
何れにせよ兄妹揃ってそんな感じなのかと肩を竦めてしまう。
「え!?!もしかしてナナメちゃんから…お金もらってる!?」
「もらってないです…」
「フォント煮!?カリスマ主夫でのうて!?家事代行でのうて!?」
「いや俺働いてるし…会社員」
ヨコは着替えれずにいるスーツを指差した。
「じゃあナナメちゃんはいつも何してん!?」
「えーと………にこにこしてるかな……」
真っ先に思いついたのがそれなのもどうかと思うがナナミは呆れたように、ほえー、と呟く。
「あ、いや……洗濯とか掃除とかはもちろん…
この前も鍋ピカピカにしてくれてたし…」
ナナミは喋ってる割には上品に食事を口に運びながらも、何か考えるようにヨコをじっと見つめてくる。
「ほむほむ……」
そして謎の相槌を打ち漬物を口に含んでは、うま、といちいち言ってくれるのであった。
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