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4-22 逃げ出した場所

「施設行くなら…、明日車使っていいけえ」 「え…?」 「…シチノさんに会いに来たんじゃろ」 ナナコの言葉にナナメは思わず俯いてしまう。 差し出した指にナナカが触れてくれて、彼女は恥ずかしそうに笑った。 「俺のこと…忘れちゃったかな…?」 「さぁどうじゃろ…日によるっちゅーか…」 姉はそう言いながらも抱えていたナナカを床に下ろした。 「住所は後で教えるけえ。 それよかナナエさんが張り切ってすごい量作っとるよ」 ナナコは呆れたように下の方を指差した。 「あはは…」 久々に重すぎる母の愛を感じることになるだろうか。 ナナメは肩を竦めて笑いながらも、だんだんと暗く沈んでいく部屋をうろうろする姪っ子を見つめるのだった。

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