218 / 236

4-57 永遠と一瞬

「けじめとやらはついたのか?」 「ええ…まぁ」 ナナメは頷きながらも、窓の外に目をやった。 祖母に会いに行こうと思ったのもただの思いつきだった。 罪悪感とか、苦い思い出とか、ちょっとだけ恨んでいるような気持ちもないことはないけど 弱っている姿を見ると、今会えて良かったのかもしれないと思える。 このまま彼女から逃げ続けて、何にも伝えず伝えられず終わっていたら 自分はきっともっと後悔したかもしれないし。 「そっか……」 ヨコはそれ以上何も聞かずにいてくれた。 これからどうしていくかなんて何も分からない。 相変わらず自分には何もできないのかもとすら思うけど。 窓の外の景色を見ていると、家を飛び出して泣きながら東京へ向かったことを思い出した。 1人で新幹線に乗って、不安でいっぱいで、それでも後ろを振り返れないと言い聞かせていた。 自分は何か間違っているのだろうか、こんなことをして本当にいいのだろうかって。 そんな風に思っていた。 だけど 君は、間違ってなかったよ。なんにも。 今はそう言ってあげられる。 誰が言ってくれなくても自分自身が。

ともだちにシェアしよう!