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4-57 永遠と一瞬
「けじめとやらはついたのか?」
「ええ…まぁ」
ナナメは頷きながらも、窓の外に目をやった。
祖母に会いに行こうと思ったのもただの思いつきだった。
罪悪感とか、苦い思い出とか、ちょっとだけ恨んでいるような気持ちもないことはないけど
弱っている姿を見ると、今会えて良かったのかもしれないと思える。
このまま彼女から逃げ続けて、何にも伝えず伝えられず終わっていたら
自分はきっともっと後悔したかもしれないし。
「そっか……」
ヨコはそれ以上何も聞かずにいてくれた。
これからどうしていくかなんて何も分からない。
相変わらず自分には何もできないのかもとすら思うけど。
窓の外の景色を見ていると、家を飛び出して泣きながら東京へ向かったことを思い出した。
1人で新幹線に乗って、不安でいっぱいで、それでも後ろを振り返れないと言い聞かせていた。
自分は何か間違っているのだろうか、こんなことをして本当にいいのだろうかって。
そんな風に思っていた。
だけど
君は、間違ってなかったよ。なんにも。
今はそう言ってあげられる。
誰が言ってくれなくても自分自身が。
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