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4-71 恐ろしい子

結局袖野の計らいによってまた一ヶ月ほど仕事をしなくてもよくなったナナメであったが あんなに枯渇していたアイディアやらやる気が、 何故だか今までとは違ったタイミングで時々不意に沸き起こってきて なんやかんやと書いてしまうナナメであった。 袖野には完璧な休みを義務付けられていたものの、以前に比べて書くことへの消費カロリーが安くなっている気がして 広々と片付いた部屋で、ついつい残されたパソコンに向かってしまう日々だ。 その原理は未だに解明できていないが、 それでもヨコと暮らす毎日が続いていくことには変わりないし もし何事かが立ち行かなくなったとしても 彼となら乗り越えられるのだろうな、などと勝手に思ってしまう。 自分はもう何を失ったって 彼がいてくれさえいればきっと平気だと。

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