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第40話 脳筋
今まで、自分で思考をすることや
自分の考えを持つことはありえなかった。
そういう風に自分で思い込もうとしていたのかもしれないけれど、改めて自由にしていいと言われると怖いと思ってしまうのは
自分の思考に自信がないからかもしれない。
正義の区別が分からない程には人を殺しすぎた。
ファリスは窓辺に座って遠くの景色を無意味に眺め続けた。
何もしたくないような心地の中で
それでも考えようとして、
どうしたらいいかわからず何度も唇を噛んだ。
考えれば考えるほど自分は誰かに大事にされるほど価値のある人間ではないと思えてしまうのだ。
それでも、命を捧げようと、ついてくる者がいる。
願いを全うしようと真っ直ぐな視線を向けてくる者も、
いつも心で想っているという者も。
その者達のために、自分は何ができるであろうか。
「…だぁっくっそわっかんねえわ!」
ファリスは頭を掻きむしりながら椅子から立ち上がった。
本当は小難しいことを考えるのなんて大の苦手なのである。
なんだか身体がムズムズする。
そういえば最近全然身体を動かしていなかった。
今までは体力の限界を無視した労働を強いられていたため、なんだか逆に落ち着けないのだ。
居た堪れなくなって、ファリスは部屋から抜け出した。
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