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第58話 目的地付近
「...ごめん..ファリス」
「...ッ..、いちいち...謝んなっつの...」
口元を拭いながらファリスに睨まれ、
彼の髪を撫でて動作を再開する。
かなり狭くてキツかったが、確実に奥へと進んでいく。
やがて根元まで飲み込まれていき、なんだか
無意味な達成感にアッシュは泣きそうになってしまった。
「う...、は..ぁ...あとは..好きに、動いていいから...」
「え...そんな...ここで放置!?カーナビ!?」
「もうあとはわかんだろっ!」
急に突き放され目的地付近ではあるが実際の場所がわからない状態に陥り焦る。
「気持ちいいと思う風に動きゃいいんだよ
...仕方ねえな」
悪態をつきながらもファリスは
片手を取ってきて、指を絡められた。
やがてゆっくりと腰を動かし始められ、
内部が擦られ、今まで感じたことのない感覚が走った。
「ん...、..っ、はぁ...」
頭はついていかなかったが
身体の方は何もかも知っているらしく、気付けば彼の動きに合わせるように自分も腰を揺らしていた。
「..っ、ん..、あ...、ッ..」
揺する度に彼の切ない声が溢れる。
絡めた指に力を込める。
シーツに広がる金色の髪が、月明かりに反射して光っていた。
「ファリス...っ好きだ....」
彼の体温が身体中から伝わってきて、
思わず伝えずにはいられなくなって。
好きだ、愛してる。愛してる...。
どれだけ呟いても足りないくらい、彼のことが愛おしい。
そんな気分になっていると
だんだん自身を強く締め付けられ始める。
「っ、うるせ....って、...ッ」
彼の声が消え入るように高くなり、
そんな風に締め付けられるから動きが加速していってしまう。
「あ..っ、ぁ...やば...アッシュ...っ」
彼の腕が首に巻きついてきて、ぎゅっと身体が密着した瞬間
2人の間で彼の自身が果てた。
きゅうぅぅと激しく締め付けられ、
アッシュも意識を手放しそうになり達してしまった。
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