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第82話 地下迷宮

マルクが発見されたのは、事件からほぼ一日が経っていたらしく既に敵兵は引いていたようだった。 駆けつけたマグルシュノワズ侵略組の兵たちによって消火活動がなされ城は3分の1ほど燃えていたが後は無事だったようだ。 丸一日ロッカーの中で寝ていたマルクは身体がロッカー型になる寸前だったようで、信じられない背中の痛みとそれ以上に叫び出しそうな感情の波に耐えながらも消えている城の面々の行方を捜すべく歩いていた。 藁をもすがる思いで猫についていくマルクと准将と数名の兵達は城とは反対の町へと案内されていた。 町に被害はなく人々は家に閉じこもっているようだった。 町外れの森に辿り着き、猫はどういうルートを辿ったかわからなくなってしまうほどうろうろと彷徨った後、とある洞窟へとたどり着いた。 その先をまたひたすら進むと、やっと人工的な ドアにたどり着く。 鍵を使い開けた先は暗闇で、 よく見ると下に梯子が伸びていた。 降りていくと地下水路のような場所に出る。 人一人分が通れる細い道の横を水が流れていた。 「…こんなところがあったとは……」 猫を抱えて梯子を降りてきた准将が再び猫を地面に降ろすと猫はまたナビをし始める。 この仕込みはシアーゼがしたものなのだろうか。 あの短時間で用意していたというのか? いや、前々からある程度準備はしていたのだろう。 全く何て人なんだろう。 シアーゼという人間は、ファリスに陶酔してただ自慰的に自分を犠牲にしているようで 本当はもっと狡猾に考えているらしかった。 もしかするとそれすらも、ファリスの為、なのかもしれないけれど。 マルクは泣きそうになるのをこらえ、歩き続けた。 地下水路は暗く、簡易的な松明を作って先を急いでいると猫は急に走り出した。 一同は慌てて走ろうとする。 「…えっ?キナ!?」 不意に進行方向から声が聞こえ、一同は思わず立ち止まり息をひそめた。 しかし後ろにいた准将が人を押しのけて前に飛び出した。 「大将、いるんです?」 「ざ…ザナ…?」 明かりで先を照らすと、そこにはよく見知った幸薄そうな眼鏡の青年が立っていた。 顔は煤でどろどろになっていて軍服もボロボロだ。 「ざ…、准将…!指揮官…!よくお戻りで」 大将はそう言いながら若干涙ぐんで准将に抱きついた。 「もう怖かったんですからー! 城が爆発したと思ったらいきなり隠しボス戦って!」 大将はそう言いながらも足元にじゃれついてきた猫を拾い上げて頬ずりした。

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