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第97話 ファリス王子のイイ女修行!
間も無くして、アッシュはシシィ国を出航した。
リゼエッタの同盟国などに助けを求めたりなど様々な使命を彼は持っているようだった。
ファリスは黙ってそれを見送り、
残されたミミィグレースと城で過ごす事となった。
しかしただぼーっと待つわけではない。
ミミィグレースからの"お願い"とは、
彼女を世界一のいい女に教育すること、であった。
彼女のとんでもない提案にアッシュもファリスも驚いたものだったが
ミミィグレースの強い意志と、その熱意に2人は彼女を中心に作戦を立てることにしたのだ。
ミミィグレースは、教養もマナーも花嫁修業も
ファリスよりは遥かに質の高いものを習っているし
恋愛経験も豊富そうだったが、"世界一の女"になるためにはまだまだ修行は足りない。
ファリスは自分の経験をフル活用して彼女を教育することにしたのだった。
ジャージ姿になった2人は、
シシィ国軍の演習場の隅を借りて向かい合って立っていた。
「言っておくが私は厳しいぞ」
ファリスは手に持った竹刀を肩に担ぎ、
ミミィグレースを睨んだ。
「ええ、心得ておりますわ」
ミミィグレースは深く頷く。
「...世界一の女、たとえ世界を敵に回しても
手に入れたい女...私はそれに最も近しいやつを
1人知っている」
ファリスは言いながら竹刀を地面に突き立て、
空を見上げた。
青い空が広がっている。
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