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第126話 恋とスパイは使いよう
彼の首に口付けて前歯で甘噛みした。
「...まるく....」
恋愛も身体も散々稼ぐために使ってきたのに。
今できる精一杯が、こんな事だなんて。
それでも小さく名前を呼んで、彼のシャツを噛んで声を殺し続けていた。
自身を扱く手が早まり始め、頭の中が真っ白になりかけていた。
「...っん、ぅ..ん...」
必死に耐えていると、もう片方の手で頭を撫でられる。
そんな風に優しくされる事なんてほとんどなかった為、
シアーゼはなんだかいたたまれなくて
仕方なく彼の足の間に自分の膝を滑り込ませた。
熱を集めた中心が触れ、膝を動かすと彼の体がびくんと震えた。
「....はぁ、....っ」
動きが鈍くなったのでシアーゼはシャツから口を離し
そのままマルクの上に乗っかった。
彼は驚いたたように目を見開く。
「っシアーゼちゃん、」
「....静かに」
唇に人差し指を当てながらも、顔を上げると天井に頭をぶつけそうなのでそのまま滑るように彼の足元へと降りていった。
服の上から彼の自身に口付けていると、マルクは上半身を起こしてくる。
彼をちらりと見ては、膝を立てさせて前を寛げて屹立したそれを露わにした。
唾液を絡ませながら下からゆっくりと舐め上げて、先端を舌の先で弄ると先走りの液体が溢れてくる。
「やば...」
マルクが何か言っているが、シアーゼは無視して上から口に含んでいく。
舌を絡ませながら上下運動を始めると、欲望は脈打って今にも弾けそうだった。
「..ん、....っん」
液体で滑ってだんだん動きが加速していく。
彼の指が、長くしている前髪を掻き分けシアーゼは眼だけ彼に向けた。
ぼやっと滲んだ視界の中、青い瞳が細まる。
「..シアーゼちゃん、離し...」
乱れた呼吸の隙間で呟かれ、シアーゼは欲望をゆっくりと口から出したが頬に擦り付けるようにしながら片手で扱き始めた。
真っ白になりつつある頭には2人の熱っぽい呼吸だけが響き渡り、理性を手放しそうになってしまう。
「かけてください...俺に」
「い...っ!?なん...」
「おねがい」
甘い声でねだってしまうと
ばか、と掠れた声で呟かれる。
扱く手を早めながら、再び口に含もうかと先端に口付けた瞬間白濁の液体が飛び散った。
「ふ、ぁ....」
「うわっごめん!」
顔にも髪にも液体がかかり、その生暖かい温度にシアーゼはいよいよ冷静な思考など持てなくなってしまう。
マルクは慌ててシアーゼの頬を拭った。
しかしシアーゼは首を振って頬に触れる彼の指に口付けた。
「...はしたないシアーゼは嫌いになってしまいますか...?」
「え、いやそんなことは...ないけど...え?シアーゼちゃん...?」
身体を起こして、おどおどしているマルクの唇にキスをして
彼の指に自分の指を絡める。
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