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第126話 恋とスパイは使いよう
利益も見返りも存在しない無償のものなんて、果たしてこの世界に存在するのだろうか。
とても信じられていないくせに、それを相手に強要しようとしている自分は、傲慢だとシアーゼは笑いたくなった。
だけど実際にはそこで震えていることしか出来ないのだった。
マルクは何も言わなくて、狭い屋根裏にはシアーゼの鼻を啜る音だけが響いていた。
どうしてこんなに必死だったのだろう。
邪魔をされすぎておかしくなってしまったのかもしれない。
シアーゼはどうにか泣き止もうと両手で無理矢理目を擦った。
顔を上げると、マルクが見たこともないようなとんでもなく複雑そうな顔をしているので
シアーゼは恐ろしくなって、小さく微笑んだ。
「……ごめんなさい」
とんだ妄言に付き合わせてしまっただろうか。
ファリスから離れて、自分でも気がつかないうちにメンタルがおかしくなっているのかもしれない。
シアーゼが途端に恥ずかしくなって、何か冗談をと考え始めていると
マルクは今から人でも殺すような顔で、やってきてシアーゼの腕を掴むとそのまま抱き締めてくれた。
「…俺こそごめんね」
「ま…、マルク…あの……」
「俺本当…だめだなぁ…すぐ、怖くなって引き返したくなるんだよね…
シアーゼちゃんみたいに、恐れず真っ直ぐ向かっていけないからさ…」
マルクはシアーゼの頭を撫でながら呟いている。
シアーゼは訳がわからずに彼に抱き締められて、鼻腔を擽るその香りになんだか頭がふわふわとなり始めていた。
「だから追い付けないんだろうね、俺は君に…」
「…え…?…ぁ…」
ろくに返事も返せないまま、シアーゼは唇を塞がれていた。
先程よりも深く、噛み付くように口付けられ
再び床に押し倒されてしまう。
下唇を甘噛みされ、そのまま彼の唇はシアーゼの素肌を撫でていった。
「っ…、ぁ…まるく…?」
首に、胸に、腹に、熱を移されるように。
その間にもマルクの手は、強姦のような手付きでシアーゼの衣服を乱していった。
そして気が付くと、持て余していたシアーゼの中心に彼は口付けており
シアーゼは思わず背中が床から浮いてしまう。
「ちょ…、…なにして…」
ぬるりと中心を舐め上げられ、そのまま彼の口腔に包まれてしまう。
シアーゼは頭が沸騰しそうになって、やめさせようと彼の頭を掴んだが
マルクは構うことなく、じゅるじゅると音を立てながら中心を愛撫していく。
「っ…、ッ……」
人のを咥えた事なんて死ぬほどあるはずなのに。
じっとりと舐め溶かすように上下されると何も考えられなくなるくらいの感覚が駆け巡って、
シアーゼは手の甲で自分の口を抑えていた。
「…っ…ぅ…」
ぬるりとした舌先の感触をそこで感じる度に、ちゅ、と軽く吸われてしまう度に
シアーゼは手の甲に歯を突き立てていってしまう。
閉じたくなるような足を広げさせられ、彼の指先が蕾へと辿り着き優しく撫で付けるように探っている。
いいのに、と思うのに今は口を開けなくて
シアーゼはされるがままにマルクに解かれていってしまう。
「ッ…ん…、ん…ぅう…」
シアーゼはあっという間にマルクにぐちゃぐちゃにされていた。
彼の指先が内部を抉る度に腰が浮いて、じゅる、と中心に吸い付かれると息が弾んでいってしまう。
声を抑えたいのに、勝手に溢れていってしまうのだ。
やがてシアーゼは頭がチカチカなり、耐えられなくなって、両手で彼の頭を掴んでしまった。
「ぁ…っ、い…、まる、く…、っ…だめ…」
争いたくて彼の髪を鷲掴みにするのだけど、内部のポイントをすりすりと擦られながら
じゅぷじゅぷと音を立てて中心を吸い上げられると、シアーゼは頭が真っ白になって
びくびくと震えながら絶頂を迎えてしまった。
「あ…、ッ、ぁ…!」
掠れた声をあげながら、シアーゼは液体を吐き出させられ
暫くその余韻に悶えていた。
肩で呼吸をしながらも、両手から力を抜くと
マルクはようやくシアーゼの中心を解放し、上体を起こした。
彼は唇を舐めながらも、はぁ…、と熱っぽい吐息を溢し捕食者のような眼でシアーゼを見下ろしている。
「感じやすいんだね。気持ちいいことが大好きって感じの身体」
マルクは未だにシアーゼの体内にあった指を動かして内部をぐちぐちと探りながら、
シアーゼの片足を持ち上げて、脹脛辺りに軽く歯を当てている。
「…っ…」
達したばかりで敏感になっている身体には、どんな刺激も頭がぐらぐらするようだった。
「独り占めしたいんだけどね…本当は……」
マルクは目を細めて呟きながら、シアーゼを一旦解放すると
ジャケットを脱ぎ捨てている。
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