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夫夫水入らずのデート

「やっぱ、変かな⁉」 大の大人が、脇にぬいぐるみを抱えている姿は結構というか、かなり目立つ。 「恥ずかしいなら持とうか⁉」 「ううん、大丈夫。蓮くんから貰ったものだもの」 涼太は大事そうにぬいぐみを抱え直した。 葵と蓮と別れ、涼太が行きたいと前々から言っていた駅ビルの二階にある子供服売り場に真っ直ぐ向かった。 「蓮くん、ボタン苦手でしょ。でも、いつまでも苦手って訳いかないから・・・少しでもボタンが大きい服ないかなって思って」 涼太は、店内をあちこち歩き回り、ジーパンや、シャツなど、迷いに迷った末、四、五枚購入した。 「金出さない訳いかないから」 「いいの、真生は。僕が蓮くんに買ってあげたいの」 取り出した財布を、ポケットにねじ押し込まれた。 「次、行こう」 涼太はいつもよりテンションが高めだ。 「だって、二人きりで買い物出来るなんて夢のようなんだもの」 足取り軽く次は、靴売り場へと移動した。「赤はね、ヒーローの色なんだよ」そう言って、キャラクターの絵柄が入った長靴を購入し、パン屋さんでは、「蓮くんにベーグルサンドイッチを食べさせたい」と、ベーグルや、十二枚切りの食パンを購入した。 結局涼太は、自分の物は何一つ購入しなかった。

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