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蓮の遠足
ーー良かった下がって・・・
昨日、蓮が珍しく熱を出し、幼稚園を早退してきた。
丁度配達中で、電話に出れなかった俺に代わり、蓮を連れて帰り、そのまま病院に連れて行ってくれたのは葵。
熱がなかなか下がらず、一晩中寝ずに蓮に付き添って、看病してくれたのは涼太。
実の親より親らしい、愛すべき恋人たち。
二人して、蓮の隣で熟睡している。
穏やかなその寝顔を眺めていると、涼太の瞼が先にうっすらと開いた。
起きるなり、すぐに蓮のおでこに手を翳す涼太。
「良かった、熱、下がったかも」 安堵の溜め息を吐いて、愛おしいそうに何度も髪を撫でてくれた。
「あまり見ないで欲しいな・・・」
俺の視線に気が付いたのか、恥ずかしそうに顔をそらした。
「絶対、目の下にクマ出来てるから」
ーークマ⁉
こういう所は女子なんだな~。
一緒に暮らすようになって、お互いを知っていく中で、涼太の可愛いところを日々見付けるのが何だか楽しい。
「起きて早々バカップルしてるなよ」
葵が大きく背伸びして、そのまま、俺の膝の上にごろんと横になった。
「宮尾さん、ずるい」
「場所を空けておく涼太が悪い」
「これじゃあ、この前と同じでしよう」
「この前⁉あの時の真生は、とくに可愛いかったな」
ニヤニヤと笑う姿は、ただ単なるエロオヤジだ。
俺の中の葵のイメージは、皆が憧れる格好いいオヤジ・・・だったはずが、どこでどう間違ったのか。
二人がいっているのは、三人で初めて繋がった日の事。
あれから数日は、筋肉痛と、股関節の痛みが酷くて。
ようやく痛みが引いたかと思ったら、この二人は‼
最後まではしなかったものの、あんだけ脚を開かされ、死ぬかと思った。蓮が、熱を出す前日の事だ。
腰がズキズキいって、まるで泣いているだ。
年なんだから、手加減して欲しい・・・。
でも、情熱的に迫られると、ダメだと思いつつも流されてしまう自分が本当情けない。
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