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家事審判変更申立書

「蓮くんは悪い子じゃないよ」 涼太は、蓮に何度も起こされているのに、怒ることも、苛立つこともせず、終始笑顔で、息子の体を横に抱っこしてくれて、揺りかごを動かす様に、ユラユラと優しく揺り動かしてくれていた。 「涼太、明日、仕事だろ⁉俺、代わるから」 「ううん、いいの。僕ね、真生の前の奥さんに、すごく腹が立ってて、しばらく寝れそうにないから」 「涼太・・・」 「自分から置いていったのに、虫が良すぎるよ。蓮くんが、かわいそう」 涼太の目は赤く腫れていた。 仕事から帰ってきた涼太に、今日の出来事を話してやったら、その場で泣き崩れてーー落ち着いた頃、蓮が母の日の為に描いた涼太の絵を見せたもんだから、またまた、泣き崩れーー 「言ってなくてごめん。試しに大好きな家族の絵コンクールに出してみたんだ。そしたら、入選して」 って、葵が思い出したように言ってたけど。 泣かせてばかりで、ごめんな、涼太。 「俺に寄り掛かって、寝てもいいぞ」 「うん、ありがとう」 涼太の肩を抱き寄せてやると、恥ずかしそうに、胸元に顔を埋めてきた。 甘えてくる彼は、文句なしに可愛い‼ 軽いノリで、柔らかな彼の髪に口付けをしてやった。 「・・・大変・・・」 「どうした涼太⁉」 「勃っちゃった」 うっとりとした恍惚の表情を浮かべる涼太。 「え”ぇーー‼この状況で何で⁉」 「ついでにいうなら、俺も‼」 むくっと、葵まで、起き出してきた。 「寝てたんじゃあ・・・」 「ばぁか。涼太が、どうせ寝れないなら、真生とエッチする‼って、一人言を言ってたから、ついでに交ぜてもらおうかなって思って、ずっと待っていたんだよ」 「はぁ⁉」 マジか・・・。 「真生、蓮くんちょっと抱っこしてて。下に下ろしたら、泣くから、ちゃんと抱っこしててよ」 マズイ・・・。 涼太も、葵も、やる気満々だ。 俺も含め、お前ら仕事だろう‼ 「同居生活のきまりは⁉」 そうだ、この手があった。 「金曜日も、土曜日も、結局、出来なかっただろう⁉」 「そう、真生が、先に寝ちゃって」 「謝っただろ⁉土曜日も仕事で・・・」 「はい、はい」 蓮を手渡され、チュッと口付けされた。左の頬には、涼太。 右の頬には葵。 「腰、浮かせて・・・真生・・・僕の可愛い奥さん・・・」 涼太の甘い声に、身も心も蕩けていくーー。 「一旦、バンザイしようか・・・真生・・・俺の可愛い奥さん・・・」 普段はツンツンしているのに‼ ズルいぞ、こういうときだけ、甘い声出しやがって。

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