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産みの母親に対する息子の本音
「れんね、いいこにしてれば、パパがね、れんのことだいすきな、いらないっていわない、あたらしいママをつれてきてくれるってしんじてたんだ」
蓮がツンツンと、服を引っ張った。
「ん⁉何⁉」
「だっこして!」
涼太は、笑顔で蓮の事を抱き上げてくれた。
「ぼくのままは、りょうにいにままだけ‼れんのすきなのいっぱい、いっぱいつくってくれるよ。おべんとも、おいしい‼れんのこと、わるいこっていわない、いらないっていわない、いいこ、いいこっていってくれる。れん、りょうにいにまま、だいすき」
涼太の首に抱き着く蓮。
感極まり、涼太の目からは大粒の涙が溢れていた。
「蓮、ちょっと待って‼」
あやかは、状況をいまいち飲み込めていない様子だった。
「あや、ようは、お前の元ダンナ、この人殺しの弟と出来てるって事だよ。気色悪い」
吐き捨てるように、あやかの再婚相手が初めて口を開いた。
「嘘・・・」
ようやく俺らの関係を理解したのだろう。
あやかは、かなり驚いていた。
「男のママなんて絶対おかしい。蓮までおかしくなる。ママと、一緒に行こう」
両腕を伸ばし、涼太から蓮を無理矢理引き剥がそうとした。
「あやか止めろ‼」
涼太と、蓮を助けに行こうとしたら、葵に止められた。
「真生、涼太は、蓮のママだ・・・大丈夫・・・」
「あぁ、そうだった」
葵に言われ、事の成り行きを見守ることに。
「もういい加減、止めてください‼蓮くんが、嫌がってるの分かりませんか⁉」
あやかの手が怯んだ隙に、涼太は、大事そうに蓮を抱き締めた。
「蓮くんは、僕と真生のです。何があっても、絶対、渡さない‼」
涼太の顔は、立派な母親の顔になっていた。
あやかも、そんな涼太に、勝ち目がないと悟ったのか、一歩、後ろに引いた。
「れんは、ママのあかちゃん、いらない。れんがいらなくなったら、また、すてるんでしょ⁉」
澄んだ瞳で、母親を悲し気に見つめる蓮。
子供なりにも、うすうす感じているのだろう。
あやかは、お腹を支えながら、その場にへたりこんだ。
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