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夫婦の営み

その日の夜ーー。 蓮は、散々、涼太に甘えて満足したのか、彼の腕の中でスヤスヤと眠っている。 みち先生が迎えに来て、部屋に戻りたくない、と大駄々を捏ねられ、仕方なく、仕事場に一緒に連れて帰り、夕方まで、大人しく涼太を待っていた蓮。 涼太が迎えに来てくれて、目をキラキラと輝かせて、 「りょうにいにママーー‼」 と一直線に駆け込んでいった。 涼太は、蓮の事を、目に入れても痛くないくらい、可愛がってくれる。 「今日は有り難う」 面と向かっていうのが気恥ずかしくて、彼の背中に顔を埋め、そっと腰に腕を回した。 「僕の方こそ、有り難う。でもね、真生、その・・・蓮くんのママに、申し訳ないことをしたかなって・・・わざわざ会いに来たのに、蓮くんの事、抱っこも出来なかったから・・・」 「大丈夫だよ、あやかは、そんな弱くない」 「うん、そうだね。母は強しだもの。僕は、何があっても、真生とは別れないからね。蓮くんのママでいるから、覚悟しておいて」 「こんなオヤジ、誰も相手にしないよ」 「そうかな⁉蓮くんのママの、再婚相手の彼、何気なく、チラチラと真生の事見てたよ。宮尾さんに見とれていた時も・・・」 「え⁉」 涼太は、見ていないようで、ちゃんと見ていたんだ。 俺が、葵にドキドキしていたの。 「ごめん、あれは・・・」 「言い訳は、一切受け付けません‼僕が、どんだけ、焼きもちを妬いたと思うの⁉」 蓮の身体を離し、くるりと後ろに体の向きを変えた涼太と目があった。 薄明かりの中でも、彼が怒っているのは、話し方で何となく理解できた。 背伸びして、彼の口唇に、チュッと口づけをし、「ごめんな」を二度、三度繰り返すと、 「もう、それ反則だから‼」 涼太が、がばっと身体を起こし、俺の両手を頭の上に括り付けると、ブチューーと口唇を押しつけてきた。 「明日、真生が遅刻したら大変だと思って、我慢するつもりだったんだよ。最後まで、付き合ってもらうからね」 涼太の手が、脇腹を滑り落ちていく。 何度も口づけを交わすうち、俺の体は、どんどん熱くなっていった。

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