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秦さんって何者‼

最後の最後まで、あやかが譲らず、揉めに揉めてーーというのを、イメージしていただけに、こんなにも呆気なく調停が終了してしまうとは・・・。 「色々とお世話になりました」 駐車場で、秦さんに何度も頭を下げた。 あとの事は、家事審判に詳しい彼女に一任し、会社に戻る事にした。 「あの・・・秦さん・・・」 あやかの事、言うべきか悩んだ。 会いたいとも思わなかった彼女に、今更、俺が関わるべきではないのだが。 「秦さん、あやかの事なんですが・・・」 「言わなくても分かります。あの方が、ご主人では、先々が心配ですものね。こういう場合は、女性同士で話しをした方がいいので、会ってくれるか分かりませんが、午後にでも、宿泊先のホテルに行ってみます」 「ご面倒お掛けします。あと、さっきは、すみませんでした」 「ん⁉」 「目があって、その・・・」 「あぁ、その事ですか、気にしてませんよ。それよりも、ご主人達に連絡しなくて大丈夫なんですか⁉」 「そうだ。涼太と、葵に・・・って、秦さん、何で知ってるんですか‼俺たちの関係を‼」 びっくりし過ぎて、声が裏返ってしまった。

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