71 / 150

焼きもちやきの涼太、本領発揮‼

こうなったら、話題を変えるしかない。 「葵、今回秦さんに色々と世話になったから、家に招待してもいいかな⁉」 『俺は構わないけど、涼太、焼きもち妬かないか⁉』 「早速、妬いてたよ。秦さんは、大丈夫かと思ったんだけど」 『あっ、そうだ。涼太の前で、前の奥さんの名前言うの禁止な』 「なんで⁉」 別れたカミサンにまで、焼きもちを妬くのか、涼太は。 『今だ、名前を呼び捨てにしてるだろ⁉それが、面白くないらしい。今後は”山辺さん”で呼べ。蓮のママは、涼太だ。ちゃんと、けじめをつけないと』 「あぁ、分かったよ」 葵と会話しながら、空いている手でキーを回し、エンジンをかけた。 『今日も遅いのか⁉』 「いや、そんなにないから、早いと思う・・・ごめんな、葵。蓮の事、いっつもみてくれて」 『なんだ急に・・・蓮は息子同然だし、気にしてないよ。それより、真生」 一呼吸おいて、何を言い出すのかと思ったら・・・。 『愛してるよ、涼太より、蓮より、前の奥さんより・・・だから、今晩、いっぱい、甘えていいか⁉』 って、激甘な声で。 背中が、ゾクゾク、ジンジンした。 やばい、俺の、反応した・・・。 「あっ、葵、き、切るぞ。遅刻するから」 大慌てで、一方的に切った。 絶対、変に思われたな。 下を見て、溜め息を吐いて、それからハンドルを握った。

ともだちにシェアしよう!