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さみしがり屋の甘えん坊の葵も、本領発揮‼
「涼太が、話しがあるっていうから、俺、てっきり、別れ話しかと思ったんだ。良かった・・・」
ついでに、気になっていた事を話した。
「はぁ⁉何それ‼」
「だって・・・」
「昨日の夜も、お昼にも、言ったよね⁉真生の事、愛してるって。別れる気は、さらさらありませんから‼それじゃあ、宮尾さんに負けることになるし。僕、もっともっと体力つけて、真生の事、いっぱい気持ちよくさせてあげる」
「いや、それは・・・」
「僕じゃあ、イヤなの⁉やっぱり、宮尾さんがいいんだ」
「そうじゃなくて、俺の体力の問題・・・」
あぁ、目茶苦茶恥ずかしい‼
涼太、あまり、見ないでくれ‼
「そうなんだ」
にんまりと笑顔を見せ、顔を逸らした俺の上顎に、手を伸ばしてきた。
やばい・・・スイッチ入ったかも。
「僕に、散々焼きもちを妬かせたんだから、分かるよね⁉」
「葵が帰ってくるまで・・・少しなら・・・」
「真生って、やっぱり可愛い‼」
満面の笑みを浮かべる涼太。
幸せそうな顔を見ていたら、俺まで、何だか嬉しくなってきた。
こんな俺を愛してくれてありがとう、涼太。
俺も、すごく幸せだ。
たく、この二人は・・・。
俺を間に挟み、只今、喧嘩の真っ最中。
夕飯前から一言も喋っていない。
散歩から帰ってきて、いちゃいちゃしていた俺と涼太にまず腹が立ち、しかも、挑発するように、涼太が俺に濃厚なキスを一度ならず、二度見せ付けるようにしたもんだから、頭に来たみたいだ。
蓮がいたから、その場は我慢はしたものの、問題はそれから。
いつもなら、涼太にべったりの蓮。
今日に限って、なぜか葵で・・・。
「俺も、真生に甘えたいのに‼」
と駄々を捏ねて、ヘソを曲げてしまった。そしたら、涼太が、
「大人げない」
と、魔の一言を口走り、それからこの有り様だ。
蓮は蓮で、ご飯も食べずに、寝転がり何かを熱心に眺めてる。
夢中になっているのか、涼太が何回も「ご飯だよ」と言っても耳に届いていない様子だ。
「ねぇ、蓮くん」
痺れを切らした涼太が、蓮の隣に寝そべった。
絨毯の上を、目を凝らして、見ている。
「何かいる⁉」
「うん、多分・・・蟻かな⁉」
「蟻‼何で家の中に」
吃驚していると、葵が、
「蓮にくっついて来たんだろう」
頬杖をついて、ぼそっと一言。
「一人ぼっちは寂しいもんな。分かる、その気持ち」
嫌味たっぷりの事をいうと、涼太が、
「真生が、二人いれば喧嘩にならないんだよ」
と言い出して・・・。
結局、悪いのは俺か‼
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