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またまた大事件勃発‼

「まぁ、俺が真生だったら、同じ事をしていたと思うし。あの携帯男、人の話しもろくに聞けないんだ。幼稚園児以下だ。涼太、今回は、目をつぶって許してやろう」 「宮尾さんが、そう言うなら、別にいいけど・・・」 涼太は、口を尖らせながら、立ち上がると、シャツを羽織り、俺の着替えを取りに行ってくれた。 葵も、すぐに服を着て、洗面所に向かい、濡れタオルを手に戻ってきてくれた。 「悪い、みんなやって貰って」 「腰が立たないんだろ⁉こうして真生の世話を焼くの、俺嫌いじゃない。いつも、涼太に先越されているから・・・たまにはいいだろ⁉」 葵が、体の隅々まで手早く、丁寧に拭いてくれた。 「あ”っ!そこはいいから‼」 さっきまで繋がっていた場所から、その前と。 これはこれで恥ずかしい。 「蓮の事、頼むな」 大急いで用意して、涼太に息子を託し、葵と共に病院へ向かった。 「蓮くんの事は任せて」って涼太。 帰るまで、機嫌が良くなっているといいんだが・・・ 「一回も病院に行ってない⁉嘘だろ・・・」 葵と、急いで駆け付けた駅近くのN総合病院の救急外来で、 秦さんから聞かされた事実は悲しいものだった。 「市販の妊娠検査キットで陽性反応が出た時点で、産科を受診すれば良かったんですけど、その時は、まだ、佐田さんの奥さまだったので、隠すしかなかったようです。家を出て、吉井さんと一緒に暮らし始めて、最初は働いていたみたいですけど、最近は殆ど家にいて、携帯を弄るか、朝から夜まで酒を呑むかーーだったみたいです。些細な事ですぐにキレて、彼女に暴力を振る事もあり、彼が怖くて、言いなりになるしかなくて、身重の体で生活費を稼ぐ為、アルバイトをしていて、産科を受診する余裕がなかったみたいです」 「あやかは、彼に金を渡していたはずだ」 「生活費と、遊興費にあっという間に使い切ったみたいです」 「はぁ⁉俺が汗水垂らして稼いだ金だぞ」 頭がくらくらしてきた。 蓮の為、一円でも大事に使って欲しかったのに。 「今回の茶番劇は、蓮が月に貰える金が目当て。そういうことか⁉」 「まぁ、そうなります」 葵の言葉に秦さんは頷いていた。 彼女の心中は決して穏やかではないだろう。 弁護士として、同じ女性として、弱い立場の彼女を守りきれなかった。その、やり場のない苦しい思いを抱えて・・・。 知らなかった事とはいえ、俺も気付いてやるべきだった。 (ごめん・・・すまなかった)

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