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義理の娘にしてやれること

「で、あやかは⁉」 「集中治療室で最低限の治療は受けています。母子共に危険な状態なんですが、病院側が・・・つまり、医療費を払わず逃げるのではと疑っていて・・・。過去に何件かあったみたいで。それで、彼女の携帯を借り、親兄弟と、木崎さんって方に連絡を入れてみたのですが、縁は既に切ったから、関係ないの一点張りで・・・身元保証人がいない限り、これ以上の治療は出来ません。病院側からそう言われました」 「真生に散々迷惑を掛けておいて・・・」 葵がため息混じりに吐き捨てた。 「俺に、身元保証人になれと⁉」 「すみません佐田さん・・・」 秦さんに頭を下げられた。 調停では彼女に一番に世話になったのだ。 無下にするわけにもいかない。 「涼太の方は任せておけ」 葵に背中を押され了諾した。 すぐにでも帝王切開をして、子供を取り上げる必要があると秦さん。超未熟児で産まれれば、それなりに、治療費も嵩むだろう。勿論、あやかの治療費も。 僅ばかりの貯金を全額下ろしても全然足りない。 葵と、涼太に、金を借りるしかないかーー。 そんな事を考えていると、親父とお袋が、息を切らし駆け込んできた。 「なんで⁉」 「涼太くんに聞いたのよ。たまたま、お父さんがトイレに起きた時、真生の家の方から車が飛び出していったのが見えて、蓮が具合悪くなったのかと思って、それで連絡したのよ」 「まさか、あやかさんの方だったとは。すまんな、話しが聞こえていたもんで」 親父はそう言うと、秦さんに視線を向けた。 「五年間、彼女は私たちの嫁ーーいや、義理の娘でした。孫を産んで、育ててくれた恩義があります。ですから、私たちが身元保証人になります」 「親父・・・」 まさか、まさかの展開に、俺も葵もびっくり。 でも、秦さんが一番驚いていたかも。

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