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義理の娘にしてやれること

親父が、病院側から渡された身元保証人の書類に、署名、押印し、あやかは、集中治療室から、NICU(新生児集中治療室)がある七階の産婦人科病棟にすぐに移された。 元の顔が分からないほどにパンパンに腫れ上がり、包帯でぐるぐるまきにされ、生気なくだらりと伸びる腕や足には、赤黒い痣が幾つもあった。 看護士の話しでは、体のあちこちに痣と、火傷の跡が生々しく残っていて、 全身打撲で、骨も何本も折れているらしい。 臓器に突き刺さっている可能性もなきにしもあらず。 まずは、子供の命を第一に優先し、産科の先生が到着次第、帝王切開で取り出す事になった。 病棟の待ち合い室に案内して貰い、葵と待つことに。 親父と、お袋は一旦家に戻り、俺が出勤する前に、交代することになっている。 秦さんも、仕事が休めないから、一旦自宅に戻った。 「大丈夫か⁉膝貸してやるから、少し寝ろ」 「俺はいい。葵のほうこそ」 「配達中に居眠りして、事故でも起こしたら大変だから言ってんだ。素直に、はいって言え」 葵が、ますますムキになり、このままいったら単なる痴話喧嘩になりかねないから、彼の膝の上にゴロンと横になった。 「すげぇ、落ち着く」 「それはどうも」 葵は、髪を撫でてくれた。 「俺、蓮じゃないぞ」 「分かってるよ、そんな事」

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