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蓮にとって幸は未知の生物

佐田家家族会議の結果、あやかが置き去りにした赤ん坊は、あやかの親兄弟には渡さず、施設にも預けず、蓮の弟として、俺や、涼太、葵で育てる事になった。 親父も、お袋も、幸の面倒は任せておけ‼ そう言ってくれて。 本当に有りがたい。俺一人ではどうにもならなかったから。 特別養子縁組の手続きは、秦さんが快く引き受けてくれた。 そして、俺たちの日常に、毎日の病院通いがプラスされた。 平日は、仕事が終わり次第、幸に会いに行き、休日は、みんなで、幸に会いに病院に通った。 蓮が突然現れた弟の存在にパニックを起こさないよう、幸の写真を撮り、涼太が蓮に、その写真を見せながら、幸の話しをたくさんしてくれた。 俺と涼太と葵の関係は、いつの間にか病院内に広く知れ渡っていた。 あやかに会いに来たとき、病院の関係者がたまたま居合わせたみたいで、俺たちは自分達の関係を隠す事なく公にし、堂々と振る舞った。 そして、三か月の月日があっという間に流れーー。 明日は、待ちに待った幸の退院の日。 保育器の中ですくすくと育ち、産まれた時はあんなに小さかった幸も、目標体重の二五〇〇グラムまで増え、身長も、四七センチまで伸び、二週間前には保育器から出て、小児科病棟に移った。 あやかに子育ては任せっきりだったから、実質、初めての子育てになる。 蓮にとって、幸はいまだ未知の生物で。 前途多難なのには変わりない。 俺に出来んのかな・・・ 不安で頭の中がいっぱいになって、夕食も殆ど喉を通らなかった。

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