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蓮にとって幸は未知の生物
「真生ったら、さっきから何回も溜め息をついて・・・大丈夫?」
風呂場から聞こえてくる蓮のはしゃぐ声を聞きながら、食器を洗っていたのだが、どうも、調子が出ない。
また、涼太に心配を掛けてしまった。
「仕事を言い訳にして、育児と家の事、全部、あやかに押し付けていたからさ。そんな俺に幸の世話を見れんのかなって・・・涼太?」
背中を彼の逞しい腕が抱き締めてくれた。
「僕は、すごく楽しみだよ。幸ちゃんも、大きくなったら、ママって呼んでくれるのかなって、思ったり、離乳食も、何を食べさせようか、すごく楽しみだよ。真生は一人じゃない。僕がいる」
「あぁ、そうだな」
涼太の何気ない優しさか身に染みる。
医者から、抵抗力がまだ充分付いていないから、退院後、一か月は、なるべく家の中で過ごすように言われて、社長と奥さんに相談し、その一か月、育児休暇を貰うことになった。
涼太や、葵がいるときはいいが、いないときは、幸と二人きりになる。お袋が、ちょくちょく顔を出すからって言ってくれたけど。
「真生は、幸ちゃんのパパになれるよ」
「ありがとう、涼太」
後ろを振り返ると、涼太が口付けをしてくれた。
もう一回・・・ねだると、二度、三度してくれて。
あっという間に、体がじんじんと火照り出した。
「真生・・・好き・・・」
布越しに、腰にあたる彼の雄がぐんと嵩を増したのが分かって、何だか嬉しくなった。
「俺も・・・」
今だ、恥ずかしいのが抜けなくて、俯いて答えると、
「それ反則だよ、真生!」
「涼太‼ちょっと待て‼」
くるりと体が反転して、涼太に、ムギューーと抱き締められ、すごい勢いで口付けが降ってきた。
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