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幸の退院と、焼きもち

「ヤダ‼ヤダ‼ヤダ‼」 「蓮、幸が待っているんだ、迎えに行ってあげないと」 「れん、あかちゃんいらない」 プイッとそっぽを向き、涼太の後ろに隠れてしまった。 「蓮‼」 「イヤだ‼」 涼太の服にしがみつき、これでもかと頬っぺたを膨らませる蓮。 「あまり、無理強いはよくない」 車にチャイルドシートを装着しに行っていた葵が戻ってきた。 「涼太、蓮と留守番を頼む」 「えぇーー‼何、それ‼」 「仕方ないだろ。蓮を一人で留守番させる訳にもいかないし」 「絶対、イヤだ‼」 「なんでお前まで、蓮と同じ事を言うんだ」 「僕だけのけ者扱いにされるのが嫌なの‼真生と幸を一人占めする気でしょう」 「涼太、お前なぁ・・・」 涼太の焼きもちに、もはやため息しかでない葵。 この状況を打破するには、どうしたらいいものか・・・。 考えた末、親父に、蓮を頼むことにした。 「電話より直接行った方が頼みやすいよ。ちょうど、お義父さんが好きな肉じゃがあるし、ついでに置いてくる」 「悪いな、涼太」 「ううん」 涼太は、蓮の手を引いて、台所に向かい、五分もしないうちに、紙袋を握り締め、蓮と戻ってきた。 「宮尾さん、くれぐれも玄関先で、真生といちゃつかないでね」 何度か釘をさし、蓮を、実家へと連れていってくれた。

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