106 / 150

それぞれの家族と、雪解けの時

みんな幸の事ばかり構うから、蓮はすっかり臍を曲げてしまい、ふて腐れていた。 それに気付いたおじさんが、 「蓮、じいじっておいで」 涼太の背中に隠れていた蓮を抱き上げると、ソファーに一緒に座った。 「蓮、幸が嫌いか?」 「ちがう、あかちゃんだよ。れん、きらい」 「いいか、蓮。パパも、あおにいにも、弟か妹が欲しかったんだよ。一人では、遊べないし、喧嘩も出来ない。すごく、寂しかったと思うよ。でも蓮には、幸がいる。幸は、パパとママとあおにいにの赤ちゃん。蓮は、お兄ちゃん。じいじ達や、ばあば達、みんなで、幸を守っていこう」 蓮はしばらくの間、おじさんの顔をじっーと眺めていた。 「あかちゃんは、ゆきちゃん・・・パパとママとあおにいにのあかちゃん・・・じいじ、れんわかった‼れん、ゆきちゃんのおにいちゃんになる‼」 「偉いぞ蓮」 おじさん、蓮の頭をグリグリと撫でてくれた。 正確には、あやかの赤ちゃんなんだが・・・。 「幸ちゃん、お兄ちゃんに抱っこして貰いたいって」 秦さんが、蓮の腕に幸をそっと抱かせた。 今までふて腐れていた蓮の顔がたちまち破顔した。 「ゆきちゃん、かわいい」 「だって、蓮の弟だぞ。幸も、ほら、お兄ちゃんに抱っこして貰って嬉しくて、笑っているだろう」 「うん‼」 あれほど頑だった蓮が・・・。 幸を抱っこして、笑顔で話し掛けている。 「良かったな真生」 「ありがとう」 さりげなく葵の腕が肩に回ってきて、抱き寄せられた。 「ちょっと‼」 涼太が慌てて駆け付けてきた。 「蓮のパパとママと、あおにいには、仲がいいな」 「うん‼ねぇ、じいじ」 「なんだ?」 「なかよくしてたら、あかちゃんうまれる?ゆきちゃん、いもうとがほしいっていってるよ」 「さぁーーどうかな・・・」 天使のような無垢な顔で、悪魔のような質問をした蓮に、おじさん返答に困っていた。

ともだちにシェアしよう!