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それぞれの家族と、雪解けの時

「お兄ちゃん‼恥ずかしいから止めよう」 未沙さんが、涼太をたしなめてくれた。 「私、秦さんの気持ちよく分かる。いくら顔が良くても、性格が最低だったり、自分勝手だったり、平気で嘘付いたり・・・真生ちゃんは、そういうことしないから。だから、みんな好きになる。私も、真生ちゃん大好きだよ」 「未沙・・・あのねぇ・・・」 涼太、頭を抱えていた。 「男運の悪さはお互い様でしょ‼」 「それはそうだけど・・・」 「私、お兄ちゃんが羨ましい。真生ちゃんと、お義兄さんがいて、焼きもち妬き放題で。それに、可愛い蓮くんと、幸ちゃんのママで。私も、お兄ちゃんみたいな家庭を作れるよう頑張るから」 「未沙、ありがとう」 涼太は、左手で俺の手を握り、右手で秦さんの手を握った。 「怒ってごめん・・・なさい。仲直り・・・してください」 涼太、顔を真っ赤にしてる。 なかなか可愛い。 「いいですよ、もう」 秦さん、もともと明るい人でそんなに拘らないから。 すぐに涼太と仲直りした。 でも、俺にはやはり手厳しい。 「真生~~!」 葵まで、調子に乗って、猫撫で声を出してくるし。 今日も、朝まで離してくれないだろうな・・・きっと。

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