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初めての育休中

「ねぇ真生~‼」 幸のミルクを作っていたら、玄関から涼太の声がしてきた。 「お義母さん、すみません」 葵のお母さんに幸を頼み、急いで玄関に向かった。 「どうした?忘れ物?」 「行ってきますのチュッ、まだだよ」 「涼太、いちいちそんなので呼ぶな」 「そんなのじゃない‼宮尾さんのお母さんと一緒に住むなんて聞いてなかったから。エッチだってちゃんと出来ないし、キスだって・・・欲求不満なの。分かる?」 頬っぺたを膨らませた涼太の唇に、そっと自分のを押し付けた。 「これでいい?」 「全然足りない」 「りょ、涼太‼」 ムギューと抱き締められ、すごい勢いで涼太の口付けが降ってきた。 クチュクチュと互いの舌と唾液を絡ませ、何度も涼太の口唇が吸い付いてくる。朝っぱらから濃厚な口付けに、身も心もとろけそうになる。 「真生・・・今夜・・・エッチしよう・・・」 耳たぶを甘噛みされ、熱く囁かれて腰が砕けそうになった。 「涼太‼朝っぱらから、玄関でいちゃつくな‼」 現れたのは葵だった。 「真生、幸のオムツ交換やっといたぞ。ミルクは母さんがあげてる。ほら、涼太‼早く行かないと、遅刻するぞ‼」 「言われなくても分かってます」 いい雰囲気だったのを邪魔され、ぷんぷん怒りながら涼太のヤツ出勤していった。 「なぁ真生~~」 二人きりになり、今度は葵が甘える番。 上顎を掬い上げられ、チュッチュッと、上唇や下唇を交互に口付けをされ、べろっと、歯列を舌先で舐められた。 「抜け駆け禁止な・・・エッチは・・・」 耳朶を軽く噛まれ、答えを催促された。 「・・・三人で・・・」 「そう。分かってるならいい」 葵は、しつこいくらいに唇に口付けをしてくる。 すっかり息が上がり、視界がぼやけてきた。 「そんなエロい顔して・・・真生も、欲求不満なんだ」 「五月蝿い!!」 からかわれたけど、体はどんどん疼く一方で・・・。 葵のいう通りかもしれない。 そこへ、幼稚園へ行く準備を終えた蓮がやってきた。 「じゃあ、行ってくる」 「パパ、いってきます‼ゆきちゃん、なかせないんだよ」 幸は泣くのが仕事なんだが・・・まぁいっか。 何とか笑顔で二人を見送った。

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