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これってもしかして・・・不倫?
「横島さん、すみません。あなたとは・・・」
「涼太さんみたく嫉妬深くないですよ、オレ・・・焼きもちも妬かないし・・・一緒にいて息詰まりませんか!?」
頬杖をついて、意地悪な笑みを浮かべる彼。
「涼太は、仕事をしながら、蓮たちのママとして毎日頑張ってくれています。葵も同じです。だから、息詰まるとかそんなのないです」
「本当に!?」
横島さんの視線が突き刺さる様に痛いのは気のせいだろうか?
「本当です」
まともに彼の顔を見れなくて、顔を逸らした。
「オレ、前に年下の彼氏と付き合って散々な目にあったんです。だから、付き合うなら、年上って決めているんです」
似たような台詞どっかで聞いたような・・・。
あぁ!思い出した!
涼太だ。彼は、あの最低男に散々弄ばれて、年上がダメになったんだ。
それでも俺と付き合ってくれているんだ。感謝しないと・・・。
「横島さん!!ちょっと!!」
不意に彼の手が腰に回ってきて、そのまま抱き寄せられた。
俺の意に反して、心臓がバクバクいっている。
「信じて貰えないと思いますが、一月に、宮尾さんの紹介で初めてゆめぽっけにきた時、一目であなたが好きになりました。何ともいえない色っぽさを漂わせているのに、それに全く気付いていないそのギャップが、男心を煽るんです」
「横島さん、俺、真面目にあなたとは・・・」
「セフレでいいですよ・・・大人の割り切ったお付き合いで・・・・」
耳朶に触れる彼の息は、火傷しそうなくらい熱い。
ねっとりと熱く見詰められ、このまま溶けてしまいそうだ。
「横島さん・・・」
彼の放つオーラに押し切られそうになったその時だった。
ここにいるはずのないまさかの彼が、ぬっと現れたのは。
そう彼は・・・。
「・・・葵・・・なんで・・・」
大事なもう一人の旦那様の出現に、場の空気が凍り付いたのはいうまでもない。
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