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男所帯に迎える可愛い紅一点、これがなかなか手強い
「そうなんだ、彼女、亡くなったんだ・・・」
子供達が寝た後、あやかが亡くなった事を涼太に伝えた。さほど驚きもせず、意外にも淡々としていた。
「こうなる予感はしていたんだ。彼女、一度もあの子たちに会いに来なかったから・・・おそらく、来たくても来れなかっただけかもしれないけど・・・最後に、蓮くんのランドセル姿、見せてあげたかったなぁ・・・」
「でな涼太。蓮に、母親が亡くなった事を言うべきか悩んでいて・・・未沙さんには、どのタイミングで伝えたんだ?その・・・思い出したくないなら、無理してまで思い出す必要はないが・・・」
「ありがとう真生。気遣ってくれて・・・未沙には、名前を変える時に、すべて話した。子供心に、薄々変だなって思っていたみたいだけど・・・だから、蓮くんに、ちゃんと話したほうがいい。真生が言いにいなら、僕から話すけど」
「頼んでいいか?こういう話し、俺より、母親代わりの涼太に言って貰った方がいいような気がするから」
「分かった」
ころんと肩に寄り掛かってきて、そのまま顔を埋める涼太。甘える仕草が何とも愛らしく、愛おしくなる。彼の肩をそっと抱き締めた。
「宮尾さんといちゃいちゃしてて、少し、ムカついた」
「ごめんな」
恋人繋ぎにした互いの手を絡め合うと、ごく自然に口付けを交わした。
「あっ、いいなぁ・・・俺も交ぜてよ」
「ダメ!!今日一日真生を一人占めしていたでしょう」
「はぁ!?あれは、営業。少子化でどこの幼稚園も経営が苦しんだ。顔を売っておかないと。それに、あのあと、仕事戻ったし・・・」
葵、顔を逸らした時点で、ばれてるよ。涼太に。
「嘘!蓮くんに電話した時、聞こえていたよ。蓮くん、あおパパはいないって言ってたけど、真生の『だめぇ、そこは・・・』っていう鼻に掛かったような声。子供の前で、エッチな事して」
あぁ、終わりだ。
片手で顔を覆った。
「まぁ、そう怒るな」
「あのねぇ」
「それより、明日から、横島さんの娘、うちにくるから」
「ちょっと!!話題を変えないでよ」
顔を真っ赤にして怒る涼太を、葵は笑って見ていた。
「あっ、そうだ!これ、その子の基本情報」
紙を渡された涼太は、憮然としながらも興味深そうに目を通していた。
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