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男所帯に迎える可愛い紅一点、これがなかなか手強い
「・・・!」
目を丸くし、顔に笑みが広がった。
片方の手は、唐揚げに伸び、箸も使わずむしゃむしゃとすごい勢いで食べ始めた。
「あかり、ゆっくり食べないと噎せるぞ。あと、箸を使わないと」
驚くほどの食欲を見せる彼女に、蓮の目は点になっていた。
葵も呆れていた。
「あかりちゃんお茶を飲もうか?」
涼太が濡れたタオルで、あかりちゃんの口と手を綺麗に拭いたりして甲斐甲斐しく世話を始めた。
嫌がるかと思ったが、今度は素直に受け入れ、涼太の言うことをちゃんと聞いて、箸で食べ始めた。
アツアツの湯気が立ち上る玉子焼きが目の前に置かれ、ニコニコの笑顔になった。
「ママ、ぼくのは?」
「蓮くんのもあるよ」
「やったぁーー‼」
蓮の前にも玉子焼きが届いて、大好物を前に歓声を上げていた。
いつもの倍、賑やかな夕食。
幸は、涼太の膝の上にちょこんと座り、目をまんまるくして、蓮と、あかりちゃんをじーっと眺めていた。
風呂場から聞こえてくる子供たちの賑やかな声をBGMに、葵に邪魔されながら黙々と皿を洗っていたら、
「寂しい‼構って‼」
って、大人げないことを言いながら、ピタッと体を背中に擦り寄せてきた。
「あのなぁ、葵・・・」
呆れて、もはやため息しか出ない。
「キス・・・してよ。たまには、真生からして欲しい」
「はぁ‼」
また、とんでもないことを口走り始めた。
「しない‼」
真っ赤になりながら、ぷいっと顔を逸らした。
今、キスしたから、速攻で、布団に連れていかれるのは目に見えている。
「 今日はあかりちゃんがいるからだめ。幸だって、そろそろ上がる頃だし」
「えぇ~‼」
口を尖らせて、ブスくり始めた彼に、仕方ないから、背伸びしてチュッと、そこに口付けをしてやった。
すると、子供のように大喜びされ、
「こら、葵、だめだって・・・ぅ・・・ん・・・」
お返しとばかりに、ねっとりと濃いめの口付けをされた。
・・・ん⁉
視線を感じ、ちらっと目を遣ると、パジャマ姿で、瞬きもせず立っていたあかりちゃんとがちで目があった。
「あ、葵‼」
慌てて、彼の体をぐいっと押した。
「大丈夫だ。あかりだって、こういうのは見慣れているだろう」
「そういう問題じゃないだろ」
「あかりには、園長先生の奥さんだって言ってある。間違いはないはずだ」
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