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男所帯に迎えるかわいい紅一点、これがなかなか手強い
「また、余計な事を・・・」
頭を抱えた。
「余計な事じゃないだろ」
あかりちゃんは、身動ぎもせず、俺たちの会話を聞いていた。
「あかり、どうした?涼太が呼んでいるのか?」
葵の問い掛けに大きく頷いた。
「じゃあ、しゃぁないな・・・」
葵は、バスタオルを手に鼻歌を口ずさみながら幸を迎えに行った。
幼稚園で見せる顔とは、まるで逆なんだろう。あかりちゃん、目をぱちぱちしていた。
「園長先生、うちでも、子煩悩なパパなんだよ」
話し掛けると、彼女の方から寄ってきた。
タオルを取ってと指を差され、取ってやると、洗った皿を懸命に拭き始めた。
「お手伝いしてくれんの、ありがとう」
あかりちゃんは、にこりともせず、黙々と拭いていた。
「おっ、偉いな、あかり」
そのくせ、葵には、はにかんだような笑顔を見せる。
そして、涼太には、もっと、ニコニコの笑顔を見せる。
「俺、嫌われているのかな?」
ぼそっと呟くと、
「焼きもちだろ?」
「はぁ!?あんなにちっちゃいのにか?」
「大好きな園長先生と、面倒をみてくれる涼太ママの、妻であるお前に、多少なりとも、対抗意識燃やしているんじゃないのか?」
「まじか・・・・」
洗い物を終えると、待っていましたとばかりに、葵がひっつてくる。
「俺らもお風呂行こうか?」
「だから、耳を舐めるな!くすぐったいから」
不埒な彼の手は、服の中へと入ってきて、あちこち弄り始めた。
「あかり、もう寝なさい」
あかり!?
そこにいるのか?
しかも、もう一人。
「幸もねんねだ。ママが待っているだろう」
なんでまた、幸まで。
後ろを振り返ろうとしたら、胸の小さな突起をやや強めに抓られて、
「ひゃん・・・」
変な声が出てしまい、慌てて口を塞いだ。
視線が、突き刺さる様に痛い。
『たく。二人とも、あおパパと寝たいのか?』
あかりちゃんが、目をキラキラ輝かせて、大きく頷き、自分から葵の手を引っ張った。
『ほら、幸もパパと寝るぞ』
片手で幸を抱き抱え、寝室へ向かった。
リビングから出るとき、あかりちゃんが一瞬だけ振り返った。
何をするのかと見ていたら、思いっきりあっかんべーをされた。
(へぇ~、葵の言う通り、いっちょまえに焼きもちを妬くんだ)
って、呑気に感心している場合じゃないか。
男所帯に迎える紅一点、案外、これがなかなか手強いかも。
あかりちゃんを一人で寝せるわけにもいかないから、みんなで一緒に寝ることにしたのはいいが、布団に入った瞬間、まだ起きていた彼女に睨まれた。
『園長先生は、私の‼』
しゃべれるなら、間違いなくそう言ってんだろうな。
見せ付ける様に、ムギューと葵にしがみついた。
「真生、どこに行くんだ」
「2階・・・狭いようだから・・・オヤスミ」
葵に引き止められたけど、耳を貸さず部屋を出た。
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