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3人のイクメンパパと、ダメパパ
蓮には、昨夜、涼太の口から亡くなったとだけは伝えて貰った。
涙も流さず、ただ黙って聞いていたらしい。
隣接する火葬場で、あやかの遺体を荼毘に付して、遺骨を親父が胸に抱き、最終の新幹線で家路についた。
火葬場でみなに癒しの笑顔を振り撒いて終始ご機嫌だった幸。 さすがに疲れたのか、俺の背中ですやすやと熟睡していた。
日付が変わる直前に最寄り駅に到着すると、涼太が、改札口で待っていてくれた。
「真生、幸ちゃんおかえり」
首に抱き付かれ、熱烈な口付けをされた。人通りがまばらとはいえ・・・。
親父も目のやり場に困っていた。
「いいなぁ、お前らは・・・一年経っても、新婚さんだな」
「ありがとうございます。お義父さん」
涼太は、わざと、あやかから目を逸らしている様だった。
前に、いいとこ取りしたみたいで、何か、彼女に申し訳ない。そんなことを言っていたが、いまだ、気にしているかもしれない。
涼太と腕を組みながら駐車場まで歩いた。親父は、大事そうにあやかを抱き抱え、俺たちの後ろを歩いていた。
「真生、残念な報告が一つあるんだけど」
「何?」
「横島さん、今日から泊まるって」
「はぁ!?俺は、明日だけって聞いていたぞ」
「僕もよくわからないよ。まぁ、とにかく、二人を起こさない様にしよう。この一週間、真生、一緒に寝てくれないから寂しくて」
「ごめん、涼太」
「別に怒ってないよ」
一緒に寝たくても寝れない理由を、涼太に言ったら、どんな反応を示すかな?
「じゃあ、親父、午後にみんで行くから」
「あぁ」
親父と別れ、自分の家に。
涼太が、そぉーーと静かにドアを開けた。
葵、横島さん、頼むから寝ててくれよ。
そう願ったが・・・。
「おかえり真生」
「真生、おかえり」
深夜一時前にも関わらず、爽やかな笑顔で出迎えてくれる葵と、横島さん。
涼太は、当然面白くない。
「疲れただろう。寝るぞ、真生。あかりと、蓮は2階に移動したから、久しぶりに3人で寝よう」
「俺の事、忘れていないか?」
「お前はたまに娘と寝てやれ。あかり、寂しいんだぞ。父親に甘えたくてしょうがないんだから」
「娘は、俺より、宮尾さんラブだから」
「残念ながら、俺は、真生と、蓮、幸にラブだ」
二人のくだらない会話を聞いているうち、幸がぐずくずし始めた。
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