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3人のイクメンパパと、ダメパパ

ドタバタと、階段を駆け下りてくる邪魔者たちの足音に、葵と、横島さんため息を吐いていた。 「いいとこなのに」 「本当だ」 素直に手を離してくれるのかと思いきや。 「葵、そこはダメ‼横島さんも、ダメ‼」 「だめ、だめって言いながら、ここはツンと勃っているぞ。幸、パパは素直でいいこだな」  胸の小さな突起を指の腹でコロコロと転がしていた葵の声が弾む。 「変な事、幸に教えんな!」  この期に及んでもまだ触る気か、お前ら・・・。  思いっきり睨んでやると、  ふぇ~~ん  自分が怒られたと思った幸が泣き出した。 「あ~ぁ、泣かせたら駄目だろう」  葵が体を起こして、幸を抱き上げるとすぐに泣き止んだ。  バタンと、ドアが勢いよく開いて、蓮とあかりちゃんが駆け込んで来た。  横島さんは寝たふりを決め込む算段だ。  あかりちゃんは、父親の事など気にも留めず、葵の隣に座り込んだ。  当たり前だが、かなり、ご機嫌斜めみたいだ。  思いっきり睨みつけられた。  女性は、幾つになっても怖い・・・。 朝ごはんの時、あかりちゃんが手を握ってくれて。 おっ、可愛いとこあるじゃん‼ そう思ったのも束の間、横島さんの隣に連れていかれた。 「あかり、ありがとう」 横島さんは、俺と二人きりになれて、機嫌がすこぶるいい。 一応、横島さん親子用に急きょ丸型のテーブルを一つ増やしたんだが・・・どういうわけか子供たちは狭いところが好きらしく、三人で、涼太と、葵の取り合いだ。幸も、一丁前に参加しているから、見ていてなんとも微笑ましい。 頬杖をついて見ていたら、横島さんと何気に目があった。 「カオ、逸らすことないだろ?俺に気があるんじゃないかって、誤解されてもいいなら別に構わないけど」 「そんな訳あるか‼」 たくっ、誰だ、この厄介な親子を家に入れたのは。 「まぁ、そんなに睨むな」 俺の視線に気が付いたのか、葵が振り返った。 彼の膝の上をゲットし、ご満悦の様子のあかりちゃんも、一緒に振り返り、いつものように、あっかんべーをしてきた。 そんな娘の行動に、横島さん必死で笑いを堪えていた。 「あ~ぁ、面白い。あかりは、真生が嫌いか?」 父親の問い掛けに、うん‼と大きく頷いていた。 一度ならず、二度、三度も。 「俺が好きになった人に、あかり・・・なかなか、なつこうとしないんだ。今回は、大丈夫かなって、思っていたが・・・なかなか手強いな」 って、横島さん。 俺を諦めてくれる気は、困ったことにさらさらないらしい。

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