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終章 夢にまで見た温かな家庭を愛する彼らといつまでも
ー真生、私の分まで、子供達と幸せになってね-
この声は、あやかのだ、
なんで、今頃・・・。
そんな事を思っていたら、目が覚めてしまった。
満月なのか、月の明かりがとても綺麗だった。
「どうしたの真生?」
腕にしがみついていた涼太が目を擦りながら声を掛けてきた。
「ごめんな、起こして」
「ううん」
「あやかの声がしたんだ」
「そっかぁ・・・」
涼太がむくっと体を起こしてきた。
「僕にも聞こえたよ。真生と、蓮くんと幸ちゃん、可愛がってねって」
「そうなんだ」
「うん」
涼太がすりすりと体を寄せてきた。
互いの手を絡め合い、幸せを噛み締めていると、葵と、優まで起きてきた。
「何、いちゃついていんの」
「真生はみんなのだろ。抜け駆け禁止」
「暑苦しいからひっつくな!!」
磁石のように両方の足にピタッと体を寄せてきた。
「本当に綺麗な月だ」
人の足を枕に寝転がる葵と、優が、宙を仰いだ。
「なんか、また、ムラムラしてきたかも」
「そうだな・・・こうして下から見上げる真生もなかなか色っぽいくてそそられる」
「あのなぁ、お前ら、明日も仕事だろ」
呆れながら二人に言うと、なら、休めばいいだろう。そんな答えが返ってきた。
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