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第7話

そこへ丁度、食事を取りに降りてきたアキラ… 不意にコウジと視線が合う… 「…アキラ」 コウジは少し母から離れ名前を呼ぶ… アキラはすぐ視線を外すが… 「あら、アキラさんこんばんは」 ユカリもアキラに気付いて声をかける。 「……」 短く会釈して通り過ぎていくアキラ… 「まあ、相変わらず無愛想な子ね、さ、コウジ行きましょう」 ユカリはアキラの存在をさらっと流して、コウジの背を押して出掛けるよう声かける。 「……うん」 微妙に気まずくて… アキラを気にしつつ母と外食へ出掛けるのだった。 「……」 アキラは何も気にしないようにして… 家政婦が用意した食事をお盆に乗せて、三階の自室に持って行く。 毎日の習慣。 机について… 「いただきます…」 1人で食べ始める。 コウジと自分… 同じ小学生6年でも…まるで生き方が違う… なにも知らないコウジ… 自分は… 男とキスして… 男に身体を舐められ… 男のペニスを口にくわえて… 「っ…気持ち悪…」 不意に撮影の様子が思い起こされ… 食べかけの食事から視線を逸らし…箸をおく。 口元を抑え、吐き気と戦うアキラ… 「ハァ、はぁ…」 あんな行為をして… 酷く自分は汚れているように感じて… そんな自分自身が堪らなく嫌で… でも…これが自分だから… どうすることも出来ないから… どうにもならない気持ちを心の奥に、ムリヤリ押し込めるしかなかった… 半分も食べていないが、もう食事には手をつけられなくなる。 自分のベッドに身体を横たえる… 次第に食欲も減退していくアキラだった…。 そして、次の日曜日。 今日は外出する様子はなさそうなアキラ… コウジは、やはり気になって犬小屋にいるアキラに声をかけに行く… 「ねぇ」 「……」 後ろから声をかけると一応振り返るアキラだが、言葉も発せず、視線を外して無視をする。 「今日は出掛けないの?」 続けて話しかける。 「……」 「いつも、休みに何処に行ってるの?何をしてるの?」 答えないアキラだが、それでも聞き続けるコウジ。 「……関係ないだろ、向こう行けよ」 無視を続けていたアキラだけど、ポツリと言葉を返してくる。 「……最近のアキラ変だよ!何か隠してるんでしょ」 コウジはアキラの様子が気になって、どうしても聞きたくて問い詰めてしまう。 「……」 しかしアキラは無言に… 「ねぇ!」 「……」 アキラはすっと立ち上がり、やはり無視して行こうとする。 「ちょっと…」 肩を持って引き留めようとするコウジだが… 「オレに触るな!!」 キツい視線を向けて、怒鳴るアキラ… 「っ…」 その様子に驚いて固まってしまう。 アキラはそのまま家の中に消えていった… 「アキラ…」 そんな様子を見て… アキラなんかほっとけばいい… そう思う心もあるけれど、やはり気になってしまうコウジだった。

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