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第8話《知りたい》
BOUSでは…コウジの査定が終了していた…
「あの子どうだった?」
コウジを薦めた青年は情報屋に聞いている。
「あぁ、素材としてはいいんだけど、駄目だね」
軽く言い返す。
「なぜ?」
「まず、あの子には交渉に使える負の要素がない、あと、あの子、サクヤの弟だから」
そして集めた情報を伝えていく。
「え、そうなんだ、ならナギ達みたいに、お互いの兄弟を人質にして交渉に使えば?」
「駄目駄目、ナギ達はお互いを大切に思っているから交渉に使えたけど、サクヤたち兄弟は、仲が険悪だから交渉には使えない」
そう理由を教える情報屋。
「そっか、残念だね」
「それにあの年代の受はサクヤで充分足りるし、どちらかといえば欲しいの攻専だしね。じゃ、またいいの見つけたら流してね」
「はいはい、お疲れ様」
青年は挨拶して会話を終える。
なんとかコウジはBOUSの網から抜けることができたのだった。
その次の日曜日…
コウジはどうしても気になって、再び朝から外出するアキラにこっそりついて行く。
聞いても答えてくれないなら…店に入るときに問い詰める。
そう心に決めて…
やはりアキラは真っ直ぐBOUSスポーツに入っていった…
コウジもすぐ後を追い、店内に入る。
すぐ見えた後ろ姿…
「アキラ!!」
勢いよく呼ぶコウジ…
「ッ…!?」
その声を聞いて驚いた様子で振り返るアキラ…
「あれ、その子…」
不意に奥にいたカウンターの青年がコウジに目をとめ、言葉を出す…
「ッ!!」
不意にアキラが動く…
コウジの腕をガシッと掴むと、そのままコウジを引き連れ、店の外へ走って出て行く…
「ちょっ、アキラ!?」
驚いたコウジだが、そのままアキラに連れられ、50メートルほど走って路地を曲がる…
「バカ!何で来た!!ッ…ぅ、」
アキラは息を切らしながらも、すぐコウジの腕を掴んだまま怒鳴るが…
その勢いは、不意に消失する…
コウジから手を離し、そのまま右手で左腕を掴み…
その場にうずくまるアキラ…
「な…アキラ!?」
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