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第15話《兄弟だから…》

次の日。 やはり犬小屋で犬二匹と一緒にいるアキラに話に行くコウジ。 「アキラ!」 後ろから声をかける。 「……」 しかし振り返りもせず無視するアキラ。 「ねぇアキラ!」 それでも呼び続けるが… 「……」 やはり無視… 「ちょっと!返事しなよ」 ムッとして怒って言ってみる。 「…オレに近づくなっていっただろ」 するとようやく返事する。 「ヤだ!」 はっきり言うコウジ。 「は?」 思わぬ返事に顔をしかめ、振り返るアキラ。 「僕、もうアキラのこと、ほっとかないから!」 「何言って…」 アキラは困惑した表情でコウジを見る。 「僕、アキラのこと誤解してた…」 静かに伝え始める。 「何が…」 「酷いこと言われて、何も感じない人なんかいないよね…」 アキラの瞳を見て、今までの自分の言動を省みる。 「今まで、酷いことたくさん言って…本当にごめんなさい」 コウジはアキラに頭を下げて謝る。 「コウジ…」 そんなコウジに驚くアキラ。 「僕、アキラがなんとも思ってないって思ってたからキツいことも平気で言ってた…」 アキラはアキラなりに必死に生きていたのに… それを心無い言葉で傷つけていたのだから… 「全部謝るから…アキラ、これからは話しよう!もっとケンカとかもしようよ!」 思っている気持ちを全部伝えるコウジ。 「え…」 「僕たち兄弟なんだから!」 「……」 「僕、アキラが隠してること…もう知ってる、この家で一番アキラのこと知ってるから…もう何も隠さなくていい、独りで苦しませるのは嫌だから…」 「……オレのこと…気持ち悪くないのか?」 裏の会社で働いていること…知ったなら尚更近づきたくないだろ… そう思ってぽつりと聞くアキラ。 「なんで?僕の前にいるのは小6のナマイキな兄貴だけだよ」 「……」 「あ、アキラからしたら弟の僕の方がナマイキなのか…」 そう柔らかく笑う。 「……」 言葉が出ないアキラ。

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