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第17話

「本当に一緒に食べるのかよ」 「普通の兄弟は一緒に食べるものだよ」 「……」 無言になっているアキラを席につかせて、コウジも向かいに座る。 「じゃ食べよ!いただきます」 颯爽と、手を合わせて食べ始める。 「…いただきます」 仕方なくアキラも食べ始める。 「今日焼き魚かぁ…ハンバーグが良かったなぁ」 今日のメニューを見てぼやいているコウジ。 「お前、ハンバーグ好きなのか?」 前も言っていたのを思い出し聞いてしまう。 「うん!アキ兄は何が好きなの?」 何気に聞くコウジ。 「別に…」 食に対する興味があまりないアキラ… そう呟くが… 「別にって…好きな食べ物ないの?」 コウジはさらに突っ込んで聞く。 「…スパゲティは好きだけど…」 ぽつりと答えるアキラ… 「そうなんだ、でもうち、スパゲティってあんまり出ないよね、だからご飯残すばかりしてるの?」 「……」 「好き嫌いせずになんでも食べなきゃ、僕だって焼き魚嫌いでもちゃんと食べてるんだからね!」 「…ていうか、その食べ方…」 アキラはコウジの焼き魚を見て… 「ん?」 「へたくそ…」 つい言ってしまう。 コウジの焼き魚は鳥がくちばしでつついたように真ん中がぐちゃぐちゃになっていた… 「えっ!だって焼き魚って食べにくいんだもん!」 今度はコウジが顔をしかめ、言い訳している。 「……魚は、真ん中を箸で割って、箸を倒して身を魚のすじにそって剥ぐように取ればキレイに取れる」 言いながらアキラはやってみせる。 「わぁ…凄い、えー、ウソ魔法使ったみたい!」 アキラが魚の身を綺麗にとる様子を見て感動してしまうコウジ。 「アホか…」 呆れるアキラだが… 「アキ兄ってそんな特技あったんだね!」 「いや…普通だし」 「もぅ、褒めてるのに!素直に喜びなよね」 「うるさい」 相変わらずの返事なアキラ。

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