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第18話
「アキ兄って変わってるよね」
「…何が?」
「でもなんとなく分かってきたから、素直じゃないアキ兄のこと」
同じ否定でも…
本当に駄目な時の顔と…
そうじゃない時の顔…
もう分かるから。
「何が言いたいんだよ、意味不明…」
「ふふっ、ご飯一緒に食べてくれてありがとね」
不意に笑ってコウジはアキラを見ながらお礼を言う。
「別に…」
やや視線を逸らしてぽつりと答える。
「ほらね、そういう感じ!」
「何が?」
「ううん、べつに!」
にこにこしているコウジ。
「んだよ…」
意図が分からず、顔をしかめながら、食事を続けるアキラ。
「あ、僕ね、アキ兄と同じ中学行くことにしたから!」
不意にコウジは話題を変える。
「は?なんで…」
当然驚くアキラ…
「アキラのことほっとけないからね!」
ウインクなどをしながらアキラに言うコウジ。
「な、何言ってんだよ、合格したんだろ中学…」
しかしアキラは真剣に問い返す。
「うん、でも行くか行かないか決めるのは僕だし」
「…ユカリさんあんなに喜んでただろ」
「でも、勉強して合格したのも、通うのも僕だから、僕の好きなように決めるから母さんは説得するよ。あと、僕、本当は行きたい学校が他にあるんだ」
コウジは思っていた考えをアキラに伝える。
「え…」
「そこは高校入試で入るから、今回のは半分、練習みたいな感じで受けてたから、それに今の小学校の友達と別れるのも寂しいし…」
再確認するように話すコウジ。
「だから、ちょうど良かったんだよ、アキ兄のこと知って…決心ついた」
「……」
「だから気にしないでね」
「気にしてなんか…」
また、そっけない返事のアキラだが…
「だよね~」
またニコッと微笑むコウジ。
「…んだよ」
ご飯を口に入れながらむすっとするアキラ。
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