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康介修斗のバレンタイン 6

学校が終われば夜は修斗さん達のバレンタインライブ。 あまり俺らに来てもらいたくなかったみたいだけど、俺は竜と一緒に行くことにしたんだ。 学校から帰り、お気に入りの服に着替える。 バレンタインのチョコを忘れずに、俺は竜の家に迎えに行った。 そして二人でライブハウスに向かった。 いつもの雰囲気とは違うライブハウス。 プレゼントを持った浮き足立ってる女の子の姿が目にとまる。 ステージを見ていると後で混雑して控え室に入りづらくなるからって、初めから俺と竜は控え室に入れられた。 ライブ、見られないんじゃ来てもしょうがないじゃんか…… 俺はベースを弾いてる修斗さんも大好き。 誰よりもかっこいい修斗さんが、ステージの上から俺を探して見つけてくれる瞬間が凄く好きなんだ。 目が合った瞬間、俺と修斗さんにしかわからない空気……それと優越感。 ……でも今日はしょうがない。 竜と二人で控え室でライブが終わるのを待った。 「ライブ見られないの残念だよね」 「うん、見られないならライブ来なくてもよかったんじゃないかって思うよ」 そんな話をしながら今朝のことを思い出した。 「そういえばさ……今日修斗さんがチョコもらってるの見ちゃった。あの人モテるからいっぱい貰うんだろうなって思ったら自信なくなってきちゃったよ……」 俺がそう言うと竜がキョトンとする。 「いや、修斗さん受け取ってないと思うよ? 僕聞いたもん。今年は康介がいるからって……」 は? 俺がいるからって、くれるもんは貰うだろ? ここにいるファンからだって貰うだろうし。 俺の鞄の奥にある手作りのチョコ。修斗さんに渡すのが怖くなってくる。 やっぱり市販のチョコを買えばよかった。 「康介? 元気ないよ。もうじき修斗さんと会えるんだから笑ってないと。ね?」 俺の気持ちを察してくれてるのか、竜がさっきからいっぱい励ましてくれる。 ありがとう── しばらくすると、ステージを終えたメンバーたちが戻ってきた。 簡単に着替えを済ませ、また通路へと出て行く。 みんなはそこでチョコやプレゼントを沢山貰ってから、控え室にまた戻ってきた。 修斗さんも、両手一杯にプレゼントを持っている。 苦笑いしながら俺のところへやってきて何を言うのかと思ったら「これ、みんないらない! 康介にあげる」なんて言って俺の鞄を取り上げた。 ??? 意味がわからない。 「修斗さんがもらったんでしょ? 何で俺がこんなの貰わないといけないんすか! やめて! 突っ込まないで! やだってば!」 修斗さんは貰ったプレゼントやチョコを俺にやると言って無理やりそれを鞄に突っ込んでくる。 「これいらないから康介にあげるって! ね? 重たいしバッグに入れといて」 ……なんだよ、めちゃくちゃだ!

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