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康介修斗のバレンタイン 10
修斗さんが俺にチョコを用意してくれてた!
貰えるとは思ってなかったから凄え嬉しい! ……ま、ちょっとはもしかしたらって期待もしていたけどね、まさかねって。
ライブハウスからホテルまで修斗さんやたらと可愛いし、俺色々と我慢できなくなっちゃってヤバかった。
修斗さんに嫌がられてないかな……? ちょっと心配。
シャワーも一緒に浴びて、修斗さんにエッチな事したかったんだけど逃げられてしまった。
やり過ぎた? どうしよう……
でもさ、もう二人っきりなんだから好きにしたっていいじゃん? 修斗さん俺のこと煽ってくるくせに、そういうところあんまりなんだもんな。
さっさとバスルームから出て行ってしまった修斗さんを追うように、俺はタオルを巻いてベッドへ向かった。
ホテルの変な部屋着みたいなのを羽織っていると修斗さんがヘラヘラと笑いながら俺に言う。
「もう、何康介怒ってんの? くすぐったいんだよ。無理だって」
少し黙っていたら修斗さんは俺が怒ってるのかと思ったみたいで、わざとムッとした顔をすると慌てて俺に抱きついて甘えてきた。
……めっちゃ可愛い。ほんと好き!
「ほら……康介にチョコ。俺からのとっておきのチョコ、貰ってくれるだろ?」
ベッドに並んで腰掛け、修斗さんは高級そうなチョコの箱をヒラヒラと俺に見せる。
……本当に俺のためのチョコ? うわぁ! マジで嬉しい!
「康介? なんでそんなに驚いてんの?」
修斗さんが俺の顔を覗き込んでくる。
「だって貰えるなんて思ってなかったから。でも期待もしてて……えへへ、すげえ嬉しいです。修斗さんの特別なチョコ」
俺は目の前の修斗さんからのチョコを受け取ろうと手を出したら、スッと修斗さんはそれを後ろに引いてしまった。
「ダメだよ、まだあげない」
「……?」
なんだよ、くれないのかよ。ちょっと困惑。
「ほら……康介。はい!」
修斗さんは俺に向かって空の手を差し出してくる。よくわからず、ぽかんとしていたら「早く」と強請られてしまった。
「あるんでしょ? 俺にチョコ。早くちょうだい 」
「………… 」
「康介? 早くちょうだい」
ですよね。俺からのチョコ、そりゃ期待しますよね。
やだな……なんだか出しにくい。でも期待した目で俺を見つめてる修斗さんがカッコいい。
キスしたい……
ここはグッと堪え、俺はバッグの奥から修斗さんへのチョコを取り出した。
修斗さんは今までにないくらい笑顔ではにかむと、俺のチョコの箱を受け取った。
「康介開けてい?」
キラキラした目で俺に聞く。
参ったな。あんまり期待しないでほしい。
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